プロジェクトの現場で見られる2つの“失敗パターン”
SAKUSEN TOKYOは現在、「改革をリードし、挑戦を楽しむ人を増やす。」をパーパスに、大企業からベンチャー企業のプロジェクト全体のマネジメントやチームビルディング支援、経営層に対するエグゼクティブコーチとしての支援も行っている。
堀氏は2014年にSAKUSEN TOKYOを創業以降、プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)として数多くの事業開発や事業改革のプロジェクトを伴走してきたが、特にチームビルディングの事業を開始する前は失敗もしてきたという。
たとえば、とあるクライアントのマーケティングDX化プロジェクトで、商品企画、宣伝、CRM、データに関して組織横断の急造プロジェクトを契約サポート期間12ヵ月で請け負った際、KGI、中間KPIも未達となり、契約期間途中で解除になってしまった。市場分析、問題把握、戦略開発・構築、戦術開発を伴走し、その後の戦術ディレクションもサポートをしていたが、契約解除後にクライアントサイドではプロジェクトチームが再編成され、プロジェクトオーナーも交代して、現場メンバーも半分交代するという事態に陥ったというのだ。
当時はなぜそんなことが起こったのかと悩んでいたが、後日クライアントが開いてくれた慰労会で、以下のように言われたという。
「プロジェクトオーナーとしては、戦略も戦術も納得がいくものだった。うまくいくと思った。しかし何か違和感はあった。チームの皆が見ている景色が揃っていなかったのかもしれない。チームマインドが統一されず、自分のKPIを達成することばかりに主眼が置かれてしまっていた。その結果、現場の皆にとっては、どこか“やらされ仕事”になっていたのかもしれない」
それを聞いた堀氏は、PMOとしての自分の責任だと伝えたが、同時に多くの現場で同じようなことが起きているだろうと感じたという。その原因を探っていくと、うまくいかないプロジェクトには以下の2つの傾向があるということがわかる。
- チームビルディングがうまくいかず、チームゴールがうまく設計されていない
- 戦略、戦術が機能しない
2つ目の戦術・戦略を機能させるためには、そもそも1つ目のチームビルディングがうまくいっている必要がある。それにもかかわらず、チームビルディングに時間とコストをかけていない組織が多いと堀氏は主張する。