チームビルディングに欠かせないチームの「心・技・体」
では、チームビルディングはどのように行えばいいのだろうか。堀氏は、個人において心・技・体の重要性が語られるのと同様に、組織やビジネスでも心・技・体の関係性が整ったときに最大限のパフォーマンスが発揮できると考えている。そして、チームビルディングにおいては、心、体、技の順に考えていくことが重要だと語る。
まず「心」を整える部分では、個人のWil(意思・決断・勇気)、Can(自己信頼の源)、Must(責任感)を考えた上で、特にチーム全体のWill、Canを明らかにしてチームのエフィカシーを向上させていく。チームエフィカシーとは、チームの自己効力感で、これがベースにあることが、パフォーマンスを発揮する上では必要だ。その次に「体」として、チームのゴール、つまり“北極星”を明確にし、チームのゴールに向かうための兵站として、人員や資金など必要なものを揃えていく。それが整って初めて「技」である、戦略構築や戦術実行に取り掛かることができるのだ。
「心」「体」「技」がうまく整っていないプロジェクトは、
- チームマインドのエラー
- ゴールのエラー
- 問題設定のエラー
- 戦略のエラー
- 戦術のエラー
という5つのエラーを繰り返すことで破綻していく。
1つ目は「チームマインドのエラー」である。プロジェクトメンバーが、縦割り組織の影響によって、自己都合を優先したり、責任を他の組織のメンバーに押し付けてしまったりすることで起こる。2つ目が「ゴールのエラー」である。「チームマインドのエラー」が起こっている状態では、チームメンバー内でゴールに対するイメージが揃うわけがない。結果、ゴールが個人やタスクごとに個別化してしまう。
求めるゴールが不明瞭だと、ゴールから逆算した現状の把握もチームメンバーごとにまちまちになり、その結果、現場とゴールのギャップから導かれる問題設定も揺らいでしまう。3つ目の「問題設定のエラー」という状態だ。問題設定がうまくできていなければ、当然戦略開発もうまくいかず、KGI・KPIも揺らいでくる。それが4つ目の「戦略のエラー」であり、5つ目の「戦術のエラー」という、戦術が個別最適で実行される状態につながっていく。
SAKUSEN TOKYOは、これらのエラーに介入する「プロジェクト・エラーループ」という変革メソッドを開発した。