住友不動産は、6月1日より、スタートアップコミュニティ「Growth Connect(以下、グロースコネクト)」を立ち上げた。
同社はこれまで、スタートアップとベンチャーキャピタル、事業会社をつなぐ交流イベントを開催し、初期費用を抑えたオフィス「GROWTH」シリーズを累計9箇所で開業・運営するなど、スタートアップ支援に取り組んでいる。同コミュニティの新設により、これまでハード・ソフト両面で継続してきた取り組みをさらに包括的に活用し、スタートアップ企業の成長を後押しするとしている。
グロースコネクトは、オープンイノベーションに関心を寄せる大企業やスタートアップ企業に加え、既存のエコシステムに参加することができていなかった企業を、独自のネットワークを活用して巻き込むことで、スタートアップと大企業をはじめとする事業会社、双方の成長を加速させることが目的だという。
同コミュニティでは、これまでに培ってきたスタートアップ支援の知見を活かしながら、スタートアップと大企業の単なる交流機会の創出に留まらず、参画企業の不特定多数の企業のマッチング・イノベーションを創発させるためのアクセラサポートや出資機会を提供。参画企業のアセットを活用した実証実験の場の提供や、住友不動産のネットワークを活用した販路拡大支援を行うなど、大型IPOやM&Aを目指した一気通貫でのサポートを実施するという。
グロースコネクトの成長支援は次のとおり。
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①コミュニティプログラム(グロースコネクトへの参加)
- インキュベーションオフィスGROWTHシリーズ内のコワーキングラウンジやイベントスペースにおいて、定期的に開催されるピッチイベントやセミナー、セッションや懇親会に参加が可能。ラウンジに入居しているスタートアップと、住友不動産の全国のビルに入居中の大企業やベンチャーキャピタルの、偶発的な出会いを創出
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②パートナープログラム
- 具体的に課題を抱える大企業やスタートアップに対して、住友不動産が共創テーマや協業モデルを具体化しサポート。独自のネットワークを活かし、協業候補先となるパートナー企業の掘り起こしや紹介を行う
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③共創プログラム
- 課題を解決できるような協業モデルを具体化したのち、必要に応じて分科会の組成を行うほか、住友不動産が保有するさまざまなアセットを実証実験の場として提供することで、PMFを伴う形でのサービス・プロダクトローンチを推進
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④事業拡大プログラム
- 住友不動産のビルに入居する1800社のテナントを対象とした、サービス・プロダクトの販路開拓サポートやIT開発、マーケティング、提携・共同企業体設立、IPO・M&Aなど事業化に向けたコンサルティング支援をワンストップで提供
同社は、これまでミドル・レイターの企業誘致を行ってきたが、今後はスタートアップの大部分を占めるアーリー・シードにも入居しやすいオフィスを展開することで、スタートアップ企業の誘致強化を図るとしている。