「都市×イノベーション」に効果を発揮する、社会物理学の本質とは?
本書で一番のポイントは、社会物理学の都市への応用に関しての後半の部分ではないかと個人的には考えています。
社会物理学の重要な2つの概念である「アイデアの流れ(探求とエンゲージメント)」「社会的学習」を、都市においてどのように活用するのか。非常に気になります。具体的にみていきましょう。
本コラムではあえて取り上げていませんが、アイデアの流れ、社会的学習などを定量的に把握するには、スマホや携帯電話を中心にしたデバイスに搭載されたセンサーから収集されるビッグデータが必要です。社会物理学が提示するものが可能となるのはこのデータの可視化によるものです。都市においても同様で、着目点としては、今まで本コラムで述べたように、アイデアの流れ、人々の交流、その交流に変化を与える行動です。