丸井グループは、社内表彰イベント「第5回 Breakthrough Award」を開催した。
Breakthrough Awardとは、丸井グループが企業として持続的に成長し続けるために、自ら手を挙げ、強い実行力・推進力でイノベーション創出につなげられる人材をより多く育成することを目的に、2019年より実施している社内表彰制度。
「Breakthrough=現状の課題や困難、障害を打破」した取り組みとして「総合部門」、新規事業を想起させるチャレンジやプロセスへの取り組みとして「イントラプレナー部門」、DX推進による身近な課題解決を図った取り組みとして「DX推進部門」、失敗を許容し挑戦を奨励する文化の象徴である「Fail Forward部門」という4つの賞がある。
今回は、Fail Forward部門の受賞はなかったものの、昨年は「新規事業にチャレンジしたものの撤退したチーム」などが表彰されたという。
受賞した取り組みの一例
エポスオンリーワンカード
以前から“究極の”「好き」を応援するカードとして、世界に1枚の自分だけのカードがつくれるサービスを構想。しかし、コスト面の課題から実現に至らず、その後プリントオンデマンドの仕組みを導入したことにより、1枚ずつ異なるデザインが実現可能になったという。
第1弾として、大切なわが子であるペットの画像がカード券面にでき、自動寄付によって保護犬猫を救う力になる「エポスペットカード」を発行した。
社員株主プロジェクト
丸井グループでは、「ステークホルダー経営の推進」のため、2022年に社員への譲渡制限付株式付与を実施。しかし、株式を付与するだけでは、本来の目的である「株主意識の醸成」を推進するには限界があると考え、手挙げで集まった社員が中心となり「社員株主プロジェクト」を発足させた。
「株主になることの意義」など基本理解を深めるフェーズから「業務の中で株主視点を意識する」「議決権を行使する」など、行動変容につながる活動を展開。各事業所で説明会を開き、約2,600名(社員の半数以上)と対話し、参加した9割の社員の行動変容につながったという。
他にも、決算資料のわかりやすい説明や、ゲームを取り入れたイベントなど創意工夫を行ったことが、「株主意識の醸成」に大きく寄与したとしている。
コールセンター・レボリューション
グループ会社であるエポスカードの債権回収を行うコールセンターは、その業務が定型かつ受け身になりがちで、所属する社員のモチベーション維持と業務実績の維持に課題を感じていたという。
それに対して手挙げで集まった60名の有志社員が、コールセンター全体の意識改革にチャレンジしたのが「コールセンター・レボリューション」。
雇用形態にかかわらず、アルバイトとして働く社員も含め一丸となって、コールセンターの「本来のありたい姿」や「顧客へどのような接客をすることがよいか」といったテーマでの対話型の研修を行い、一人ひとりの持つ接客ノウハウを実践的・具体的に共有し、コールセンター全体での顧客に寄り添う提案型の接客の浸透につなげたとしている。
「働く社員の意識改革」という、ハードルの高い取り組みをコールセンターで成し遂げたことで、どのような職場でも創意工夫して成果を出せることを証明したという。
Muture
Mutureは、丸井グループとGoodpatchが立ち上げたジョイントベンチャー。デジタル領域での知見をもつGoodpatchと同社のDX推進における経営課題の特定・戦略策定に取り組む中で、2022年4月に設立した。
Mutureでは、DX推進の鍵となるアジャイルな組織開発を進めるために、外部から知見のある人材の採用を積極的に進め、高度なスキルを持った人が入社しているという。
エポスアプリや独自出店サービスのOMEMIE、グループ公認イニシアチブ(手挙げで集まった新規事業のアイデアの創出と検証を担うチーム)などのプロジェクトに伴走することで、プロダクトのUI/UXの改善だけではなくチーム力向上や、プロジェクトの進め方をアジャイル型にするなど丸井グループのDX推進に貢献したとしている。
丸井グループの人的資本経営とは
丸井グループは、「顧客の役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という経営理念を掲げており、丸井グループという場を活かしながら社員一人ひとりの成長を促している。
この理念を実装すべく、8つの施策を同時信進行。たとえば、その施策の1つである「手挙げの文化」においては、全社プロジェクトへの参画など何らかの機会に自ら手を挙げた社員は、2024年3月末までに全社員の88%に上るという。
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