Gaia Visionは、気候変動リスク分析プラットフォーム「Climate Vision」の新バージョン(Ver3.0)をリリースした。
Climate Visionとは、世界中の気候変動リスクを分析できるプラットフォーム。企業のさらなる気候変動リスク対応ニーズを踏まえ、新たに「洪水リスクに加え、高潮などのリスクの統合」「時系列での分析機能」「リスク対策の加味などの詳細財務影響評価機能」を実現したという。新バージョンのポイントは次のとおり。
①洪水リスクに加え、高潮などのリスクの統合
従来提供してきた洪水リスクに加え、高潮、高温、強風のリスクを統合的に分析可能。これまで製造/不動産業などのユーザーから、海岸沿いの拠点では河川洪水と高潮をあわせて一元的に評価したいとの声があったという。同バージョンでは、ユーザーは拠点の住所を入力することで、自動的に各リスクの評価を行い、マップや数値情報で分析結果を得られるとしている。
②時系列での分析機能
2030年、2050年といった年代ごとに分析できる機能。従来は温度シナリオ(1.5°C上昇シナリオなど)ごとの将来気候シナリオ分析が可能だったが、時系列でリスクを理解することで、より対策の意思決定やサステナビリティ情報開示に活用しやすくなるという。
時系列での分析結果は、社会経済シナリオ別(SSP1-2.6/SSP5-8.5など)に取得可能(社会経済シナリオによって温室効果ガスの排出パスが異なり、洪水リスクなどの物理的リスクの変化も異なるため)。
③リスク対策の加味などの詳細財務影響評価機能
設備の高さや詳細な配置を加味して、財務影響(想定被害額)を評価できる機能。これにより、たとえば製造業のユーザーは、重要設備の上層階移動などの対策をとった場合のリスク軽減効果を評価できるという。物理的リスク対策の定量的な目標設定とモニタリング、情報開示に有益だとしている。
その他、UIなど
UIの刷新(複数ハザードマップの比較表示、重ね合わせ表示、CSVインポート機能改善、住所履歴保持など)により、一層使いやすくなったという。
なお、Climate Visionは無償版を公開しており、シナリオ別のグローバルハザードマップにアクセスできるとのことだ。
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