Iroribiは、静岡県駿東郡長泉町にイノベーション拠点「Tech node(テックノード)」を開設した。
同拠点ではAI・IoT・ロボティクスなど最先端デジタル技術を活用し、アイデア創発から迅速にプロトタイプ化し実証実験まで一気通貫で行える“実験場”として運営していくという。主要な基盤技術として、ArchNexが提供するビルOS「nexOS」を導入。建物内に設置した設備・センサーのデータをリアルタイムで一元管理し、誰もがデータをシームレスに活用できる環境を整えていると述べた。

「Tech node」開設の背景
近年、生成AIをはじめとするデジタル技術の高度化と民主化が急速に進み、「誰でもアイデアを形にできる時代」が到来している。しかし同時に、企業現場では“新しいモノはリスクだ”と敬遠されがちで、せっかくの技術ポテンシャルが埋もれてしまうケースも少なくない。同社は創業時から「テクノロジーデザイン×PoCマネジメント」 を強みとしてきたという。
- テクノロジーデザイン:ビジネス課題を解決するための適切なテクノロジー群の選択/発想
- PoCマネジメント:小さく素早く実証し、価値検証と学習を繰り返すプロセスのディレクション/マネジメント
これらをさらに強化するため「Tech node」は、3つのギャップを埋める場として構想された。
ギャップ | 従来の課題 | 「Tech node」での解決策 |
---|---|---|
1. アイデア×テクノロジー | 「アイデアがそもそも思い浮かばない」「アイデアを形にするのに時間とコストがかかる」 |
|
2. テクノロジー×事業検証(PoC) | 「PoCの目的が曖昧で実装フェーズにつながらない」「PoCが“技術実験”で終わり、顧客価値と接続しない」 |
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3. スキル×組織 | 「個社・個人で完結しがちで知見が循環しない」 |
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「Tech node」の特徴
リアルタイムデータ&設備制御プラットフォーム
すべてのセンサー・設備を「nexOS」に集約し、APIで外部アプリやロボットから呼び出し可能。空調・照明・搬送ロボットなどをプログラマブルに制御できるため、実証のスピードと再現性を高めるという。
アジャイル実験ラボ
ユーティリティレールなどを設置し、センサーやカメラの追加を容易に実現。さらに、生成AIサポートやPoC管理テンプレートと組み合わせ、仮説検証を“やりっぱなし”にしない高速PDCAを実現するとしている。
高速プロトタイピング環境の提供
誰もが容易かつ高速に開発できるようにPythonや生成AIによるアプリケーション開発環境を提供。アイデアから実証/検証までのスピードを高速化するという。

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