海外におけるビジネスアーキテクチャーの実態
フォレスター社が2009年行ったエンタープライズアーキテクチャーに関心をもつ416社に対するアンケート結果です。アプリケーションアーキテクチャーやインフォメーションアーキテクチャーに比べて、その割合はまだまだ少ないようですが、それでも8割近くの企業が何らかの形で実践していることが分かります。
では、海外では実際にどれくらいの事業体が、ビジネスアーキテクチャーの構築と実践を行っているのでしょうか(図3)。これは、米国の調査企業、もちろん、世界共通のデファクトスタンダードとなるビジネスアーキテクチャーというものはなく、各種のコンソーシアムやコンサルティングファームなどが提唱しているモデルを参考にしながら、自社固有のモデルと組み合わせて実践しているのが現状のようです。例えば、リテール金融と保険を中核とした某グローバル企業は、顧客、プロダクト、ケイパビリティ、プロセス、従業員という5つの柱から構成されるビジネスアーキテクチャーを構築し、実践しています。
ビジネスアーキテクチャーの実践効果ですが、少なくとも適切なオペレーティングモデル(私たちが言うところのケイパビリティモデル)を構築している事業体は、業務オペレーション効率、顧客満足度、新しいプロダクトやサービス開発において30%以上の向上が図られているという報告(「Enterprise Architecture As Strategy」による)があります。