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経営企画サバイバルガイド

正体は経営陣の“外部脳” 初任者が知っておきたい経営企画の真の役割

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人員補充が業務効率化に効かない理由

 経営企画部門が本来の役割を果たせば、戦略立案から意思決定、施策実行までのサイクルを高速で回せるため、企業は自社のミッションをより早く実現できるようになります。企業のミッションが「より良い社会の実現」だとすれば、経営企画部門は「より良い社会をいち早く実現するための部署」と言っても過言ではありません。

 しかし現実には「経営企画部門にそこまでの力はない」と感じる人も多いでしょう。そう感じる場合、自社の脳が正常に機能していない可能性があります。実際、多くの経営企画担当者が予実データの収集や集計などに追われ、示唆の提示にすら至らないのが実情です。

 これは、人手を増やせば解決するほど単純な問題ではありません。なぜなら、経営企画部門の人材育成には時間がかかるからです。担当者には事業理解と会計知識の両方が求められます。また財務会計だけでなく、管理会計の素養も必要です。特に管理会計は企業ごとに独自の方法が存在するため、習熟に時間がかかります。

 さらに、人員過剰のリスクも考慮する必要があります。繁忙期は経営計画策定時に集中している上、各部署からのデータを待つ時間が長いため、人手をうまく活用できない可能性が高いのです。全ての情報の全体像を捉えて総合的に分析しなければ、有効な示唆を提示できないことも多く、担当者を増やして情報を分散させる方法は非効率と言えます。

 つまり、経営企画部門に必要なのは人員拡充ではなく、業務スピードの向上なのです。

事業理解の第一歩は予実管理から

 業務スピードを高めるためには、業務の全体像を把握し、仕組み化するステップが欠かせません。ただ、業務の全体像を把握すると言っても、どこから着手すべきか迷う方もいるでしょう。その場合は、まず予実管理に向き合うことをお薦めします。予実管理に向き合うと、経営企画に欠かせない「事業理解」と「会計理解」が深まるからです。

 予算はいわば「事業の意思」「事業のありたい姿」を数値化したものです。それを読み解けば事業戦略が見えてきます。また、予算を実績と比較することにより、事業課題を明らかにできるでしょう。その過程で実績、つまり財務・管理会計の仕組みも把握できるようになるはずです。

 このように事業と会計両面の理解を深め、予算計画の裏にある意図を正確に汲み取れるようになると、次は自ら計画を策定する段階へと進むことができます。

 次回のテーマは「予実管理への向き合い方」です。全体のポイントを整理しつつ、陥りやすい失敗や、それを回避するための方法を解説します。

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この記事の著者

冨田 貴大(トミダ タカヒロ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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