AICX協会(東京都、代表理事:小栗 伸/小澤 健祐)は2026年2月、AIエージェントの企業実装に特化した人材資格制度を新たに創設したと発表した。新資格「AIエージェント・ストラテジスト」と「AIエージェント・アーキテクト」では、AI導入の戦略設計と実装を明確に分離する人材育成基準を提示している。

同協会は、生成AI技術の普及が進む一方で、企業現場では戦略設計と実装の分断や業務プロセス全体への統合不足、組織評価基準の欠如といった課題が生じていると指摘する。2025年に実施されたPwC Japanグループの調査でも、AI活用が一定水準に達しつつある中、実際に「期待を上回る効果」を得ている企業は13%にとどまっている。特に高い成果を生んでいる企業は、AIを効率化だけでなく事業変革の手段と捉え、業務プロセス全体への本格的組み込みとガバナンス体制構築を進めていることがわかった。
AICX協会は、防衛装備庁や医療分野向けプロジェクトでの実装知見をもとに、新たな資格制度を設計した。同制度は、実務者や経営企画部門から寄せられていた「設計と実装を分離した組織的な人材基準」への要望に応えたもので、協会法人会員(2026年2月1日時点で306社、1,674名)やカンファレンス参加者(延べ15,484名)からも注目を集めている。
「AIエージェント・ストラテジスト」は、AI導入におけるROI設計、課題特定、業務再設計といった戦略策定を担う人材を想定している。一方、「AIエージェント・アーキテクト」は、ノーコードツールなどを用いてAIエージェントの実装・運用を担当し、IT企画や業務自動化推進層などが対象だ。資格カリキュラムはチャットボットやワークフロー型エージェントなど、汎用的なAIエージェントの実装まで含む内容構成となっている。
資格体系の特徴としては、AIエージェント実装に必要な業務分解やプロセス再設計、BPR(業務改革)や組織変革、全社横断的なガバナンス視点を評価基準に据えている。2026年6月中旬に「AIエージェント・ストラテジスト」第1回試験をオンライン形式で実施予定で、個人受験に加え、企業・団体単位での受験も可能となる。
AICX協会は今後3年間で延べ10,000名が受験する規模を想定し、企業のAI人材育成プログラムとしての活用も促進していく方針だ。なお「AIエージェント・アーキテクト」の試験スケジュールは追って発表される。
代表理事の小澤健祐氏は「AIは個人の生産性向上ツールから組織の基盤へと進化し、人材の役割定義も変容している。本資格制度は新たな組織実装人材の基準となる」と述べている。また小栗伸氏も「現場では戦略設計が不十分なままAI導入が進み、成果創出につながらない例もある。本制度を通じ実務人材基準を整理した」としている。
