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日本の強み“チームの生産性”を取り戻せ、ユニコーン企業アトラシアンの挑戦

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海外では先進的なユニコーン企業といわれるアトラシアン。ソフトウェア開発の管理システムで急成長を遂げた企業である。その代表的な製品「JIRAシリーズ」は、ソフト開発だけではなく、ビジネスプロジェクトにも適用できるツールとして注目されている。横浜馬車道の万国橋のたもとにある倉庫型の先進的なオフィスにある日本オフィスで、同社の新村剛史氏、長沢智治氏にインタビューした。タスク管理、プロジェクト管理のフィロソフィを逆輸入することでかつて、日本のお家芸だったチームの生産性を再び劇的に向上させることができると二人は語る。

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かつて日本のお家芸だった“タスク管理”が逆輸入される理由

日本の生産性低下が指摘されて久しい。2014年の名目GDP(国内総生産)では日本は前回と同じ3位だが、GDPを労働人口で割った1人当りの生産性では OECD 加盟の先進34カ国中21位、1時間当りでも21位であり、主要先進7ヵ国では1994年から20年連続で最下位。つまり、日本人は生産性が低くも、長時間労働によって経済力を保持してきたということになる。しかし、急速に少子高齢化社会を迎えようとしている今、これまで通りでは経済力の大凋落が予測され、生産性の向上は国家レベルでの重要課題となっている。

とはいえ、分野で見れば、トヨタにも代表されるように日本の製造業は高い生産性を誇り、世界的にも高い競争力を保ってきた。その裏には「トヨタ生産方式」と呼ばれる緻密な効率化と自律的な改善を実現する「タスク管理ソリューション」が存在していることは多くの人がご存知だろう。

アトラシアン株式会社 シニアエバンジェリスト 長沢智治氏(左)
/ テクニカルマーケティングマネージャー 新村剛史氏(右)
チームでの労働における効率向上スキルは、いわば“日本のお家芸”だったと言えるんじゃないでしょうか。欧米先進国は、高度経済成長期の日本の製造業のタスク管理を徹底に分析し、他分野にも活用してきた。その結果、オフィスワークにおける効率性向上につながったのだと言われています。

そう語るのは、アトラシアン株式会社テクニカルマーケティングマネージャーの新村剛史氏。同社が提供する「JIRAシリーズ」も含め、多くのタスク管理ツールが日本の製造業の研究から生まれ、まずは2000年前後からソフトウェア開発で効果を出し、そして様々なビジネスユースへと広がっているという。

アジャイルの発想をビジネスチームにも

日本が得意としたはずの「タスク管理」が、なぜ日本ではソフトウェア開発をはじめとする他分野に広がっていかなかったのか。その理由の一つとして、同社シニアエバンジェリストの長沢智治氏は「システムを自前で作らなくなったことが大きいのではないか」と分析する。

欧米では製造ラインだけでなく、ソフトウェアやサービスも合理化が生産性向上に直結すると考えるため、基本的にシステムなどを自前で持とうとする傾向にあります。 しかし、日本では SIerに丸投げすることが一般的となったため、システムの価値を高めていく気持ちが薄れてしまったのではないでしょうか。(長沢氏)

また、受注側の SIerでは人月頭数で見積もるため、納期が短くなると売上げも下がる。そのため目標は「決められたものを期限内に納品すること」であり、「業務を改善するシステムをできるだけ早く作ること」でなくなってしまう。その結果、日本では長い停滞期を過ごすことになり、一方、欧米では合理的な改善を進める手法として、ビジネス側とIT部門が意見を交換しながらチームで最適なゴールを目指す「アジャイル」が発達。その生産性の高さから、ついに日本に逆輸入されることになった。

そして、アジャイルなプロジェクトを成功に導くには、それらのマネジメントが不可欠となる。それまで納期と予算、要件を伝えて納品を待てばよかったものが、細かいプロジェクトにも能動的に関わり、意見を交換しながら運営することが求められる。つまり多数のプロジェクトをチームで管理するスキルやツールが必要になってきたというわけだ。

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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