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「洞察」と「データ」によるマネジメント

データマネジメントの現在と少し先の未来-何がクオリティと予測精度を高めるか-

第3回 

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経営者をパイロットや医者に例えれば

 ビジネスにおけるデータマネジメントにはさまざまなアナロジー(比喩)やメタファー(暗喩)が使われる。

 よく知られているのが「コックピット経営」や「マーケティングダッシュボード」である。経営やマーケティングを飛行機やクルマの運転に例え、スクリーンに現れる多様なデータを常に確認しながら舵を上手くとるというイメージが浮かぶ。これらの言葉の歴史は古いがあまり評価はされていなかった。ビジネスデータのリアルタイム化が進んだことでようやく名前にふさわしいレベルになってきたというのが現状だ。

 先端企業では役員の集まるボードルームにNASAのコントロールルームや証券会社のディーリングルームを連想させるような最新情報を映し出すスクリーンを設置しているところもあるという。経営指標やKPIをモニタリングすることで予測とのずれや異常を感知し、原因の分析に必要なデータを呼び出して判断をサポートすることもできる。もちろん大掛かりなものでなくとも、近年は現場のマネーシャーでもデスクトップで高度な可視化ができるTableau(タブロー)のようなツールも普及してきた。

 データ分析は医療機器や検査データに基づく医療行為に例えられることも多い。新しい検査手法の発見、測定機器の高度化、画像の鮮明化などによって、医者が原因の特定や早期の処置ができるようになっている。ITコンサル会社のガートナーは、分析の難易度ともたらす価値には段階があり、記述的分析、診断的分析、予測的分析、処方的分析の4段階にまとめている。こちらは、ビジネス現場で発生する特定の問題の解決により適した考え方だ。

 診断のためのデータが十分にない時代には、職人的な直観や経験則による判断をせざるを得なかった。現代の医者は最新の測定機器や可視化システムを駆使して、患者を治すという目的を遂行する。高度な専門知識でデータを読みこなせば、より腕のいい医者になることができる。意思決定を迫られる経営者やマーケターにとってのデータマネジメントも、それに近い状況が生まれているとみてよいだろう。

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この記事の著者

萩原 雅之(ハギハラ マサシ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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