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新事業の社内公募はなぜうまくいかないのか?ウルフェン氏が語るアイデアの育て方。

『START INNOVATION!』著者 ハイス・ファン・ウルフェン氏インタビュー

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 社内からイノベーションを起こしたい!そんな熱い思いではじまった社内の新事業公募。いざやってみたものの、アイデアは出たが、事業が起ち上がらなかったという話も多いのではないだろうか。多くの企業が社内での新規事業開発のための研修や、事業企画の公募などを推進してきているが、その手法には未だに多くの課題がある。  イノベーション・コンサルタントで『スタート・イノベーション』などの著作で知られるハイス・ファン・ウルフェン氏は、社内のアイデアをビジネスにつなぐ秘訣は、徹底的に構造化したアイディエーションのプロセスだと語る。

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イノベーションプロジェクトが失敗する理由

ハイス・ファン・ウルフェン氏

 ハイス・ファン・ウルフェン氏は、イノベーションコンサルタントで、スタートアップのスペシャリスト。Linked Inではトップソートリーダーの150人に選出されている。世界中の企業で、講演やワークショップのファシリテーターをつとめている。 2015年の『START INNOVATION!(スタート・イノベーション!)』(BNN新社)の日本語版の発刊以降、ウルフェン氏のイノベーション・ワークショップに対する期待は高まっており、スタートアップ企業だけではなく、大企業の事業開発などの研修、ワークショップ、社会人教育団体からのオファーも多いという。今回の来日でも大手製造業やIT関連企業などの組織のリーダーが参加する研修を実施した。

 イノベーションの方法論といえば、最近ではアレックス・オスターワルダーとイブ・ピニュール氏らの「ビジネスモデル・キャンバス」などが有名だ。ウルフェン氏はこうしたツールをまとめあげ、社内で実際に活用するためのポイントや独自の方法を提供する。しかし大切なことは、どのような手法を使うかではなく、どのように使うかという「How」の部分であり、多くの企業のイノベーションプロジェクトが失敗するのは、その取り組みのプロセスにあるとウルフェン氏は言う。

イノベーションを実践する旅のマップ

 ウルフェン氏はイノベーションに至る道筋を「探検」(Expandition)のストーリーとして捉える。ワークショップでは、探検の物語に即してともに旅をし、目的地をめざすという形式をとる。メンバーで出発から帰還までの物語を共有しながら、スキルを習熟し経験を積んでいく。ウルフェン氏が生み出したイノベーションメソッドは、「FORTH」と名付けられている。 「FORTH」は、次のような構成からなる。

  • Full Stream Ahead (全速力でスタート!) 旅立ち
  • Observe & Learn(観察と学び) 
  • Raise Ideas (アイデアを出す)
  • Test Ideas(アイデアをテストする)
  • Homecoming(帰還)

 このプログラムを実践するためのツールキットは、サイト(http://www.forth-innovation.com/)で公開されており、また『START INNOVATION』を旅のガイドとして読み込むことで、ウルフェン氏のメソッドのエッセンスを理解することができる。

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