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大企業×ベンチャーによるオープンイノベーション「コーポレートアクセラレーター」とは?

Business Book Acadey 2016.04.12セミナーレポート

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 4月12日に日立製作所の協力のもとで「コーポレートアクセラレーター セミナー :大企業×ベンチャーによるオープンイノベーション」が開催された。事業創造アクセラレーターである株式会社01Boosterの鈴木規文氏による「コーポレートアクセラレーターとは何か?」、合田ジョージ氏による「世界のコーポレートアクセラレーター実施事例」にはじまり、博報堂DYグループ・SEEDATA宮井弘之氏からは「求心力を高める、イノベーションテーマの決め方」と称し、コーポレートアクセラレーターの全体像を学べるセミナーとなった。

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新規事業を立ち上げられない大手企業を救う「コーポレートアクセラレーター」

 最初に登壇したのは株式会社01Boosterの鈴木規文氏。「コーポレートアクセラレーターとは何か?」と称し、その概要についての講演を行った。

鈴木規文株式会社ゼロワンブースター代表 鈴木 規文 氏
MBA。カルチュアコンビニエンスクラブで経営企画室を経て、コーポレート管理室長(兼)財務グループIRチームリーダー(兼)人事グループ人事リーダー。その後、次世代型アフタースクール『キッズベースキャンプ』を創業し、東京急行電鉄に事業売却。同社取締役を退任後、株式会社ネクストマーケットを設立、代表取締役就任。さらに2012年3月、01Boosterを運営する株式会社ゼロワンブースター共同創業、代表取締役就任

 まず鈴木氏は、起業と企業内起業における成功確率について言及。ある調査によれば、はじめて起業する人の成功確率は15パーセントであり、一度起業に失敗した人の成功確率は16パーセントとの記録がある。その一方で企業内起業における成功確率はたったの5パーセント。つまり企業内で新規事業を成功させるには、100の新規事業のうち、19個の失敗を適正に行わなければいけない。

 しかしながら日本の大手企業は新規事業を立ち上げることすら難しい。その理由をいくつか記しておく。

  1. イノベーションのサイクルが高速回転しており、そこに大手企業はついていけなくなっている
  2. イノベーションとオペレーションの両方は、ある同一人格に内在できないのに兼務社員で新規事業を担当している
  3. 売り上げが、本業のある一定数割合を超えないと実施できないルールが存在する
  4. 自社の既存事業とのカニバライゼーションに対して寛容性が低い
  5. 新規事業を行うにあたり撤退基準がないため、新規事業を立ち上げるハードルが高くなってしまう

 大手企業はこのような問題を抱えているため、最適なリソースを社内と社外の壁を取り払って調達し、新規事業を立ち上げなければいけないのだ。

 そこで、大手企業はアイデアソンやハッカソンを主催することが多い。しかし、そこから事業化に至るケースは日本ではほとんど存在しない。その解決策として注目されているのが、大手企業とベンチャー企業が、共同で新規事業創造やイノベーションを目指す方法論「コーポレートアクセラレータープログラム」である。

 コーポレートアクセラレーターの中でもとりわけ有名な事例は、TechStarsが手掛ける「ディズニー・アクセラレーター」だ。 ディズニー・アクセラレーターは、ウォルト・ディズニーが10社のベンチャー企業に対して13週間かけて12万ドルを出資し、メンタリングを中心に徹底的に支援するプログラム。ディズニーが持つ様々なキャラクターやコンテンツを、ベンチャー企業が使うことができるのも魅力のひとつ。ボブ・アイガーCEOをはじめ、ピクサー、マーベル、ルーカスフィルム、ESPNなどのウォルト・ディズニーグループの専門家143人がメンターとして参加した。

 プログラム期間中の3ヶ月半でサービスを10個つくる規模とスピード感は、ディズニーといえどなかなか難しい。なので、コーポレートアクセラレーターを活用することによって自社だけで行うよりも何倍も速いスピードで新規事業を興すことができる。こうした環境づくりはウォルト・ディズニー単体では難しく、そこにコーディネーターとしてのTechStarsが必要不可欠である。

 つまり、コーポレートアクセラレータープログラムとは、大手企業が社内リソースのみでは生み出せないような事業の立ち上げを、本体から切り離した“出島環境”で、 ベンチャー企業の新規性・実行力・執念や覚悟を活用し、リスクを外部化し、スピード感を持って数多くトライできる事業開発方法のひとつである。

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