ビジネスモデルの4つの柱を「内部影響要因」と考える
さて、2つの外部影響に続く3つ目は、「内部影響要因」です。ここでは、ビジネスモデルの4つの柱である、プロダクト革新、顧客インターフェース、オペレーション基盤、財務構造に分類して考えていくことにします(図13)。
前述したとおり、影響要因は相互にインパクトを与える場合があります。不確実性の高い現代においては、外部影響要因の中から起こりうる複数のシナリオ(想定される事業環境)を描き、内部影響要因の4つの柱に与えるインパクトを想定してみましょう(図14)。
たとえば、「インターネットとソーシャルメディアの進展により、比較購買や口コミによる評判が買い手の購買判断に大きな影響を与える」というシナリオを考えてみましょう。インターネットとソーシャルメディアの進展はマクロ影響要因であり、買い手はミクロ影響要因ですよね。このシナリオは、顧客インターフェースという内部影響要因に何らかのインパクトを与えるかもしれません。「ターゲット顧客の心理や行動に変化を与えそうか、顧客リレーションシップを強化するための新しいチャネルは必要か?」などと自問してみると良いでしょう。
最後に重要なポイントを1つだけ指摘しておきたいと思います。それは、影響要因そのものは判定されるまではニュートラルであるということです。たとえば、「購入してから10年経過した設備機械(物的リソース)」という内部影響要因そのものはニュートラルです。それは、新しい技術の進展(マクロ影響要因)や競合他社が次々に技術導入(ミクロ影響要因)という外部影響要因との関係において、弱み(生産効率が悪い)と判定されることになります。
(参考資料)
Rethinking and reinventing Michael Porter’s ?ve forces model (Tony Grundy)