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ビジネスモデルを戦略的にする―価値基準モデルの活用

第25回

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戦略の階層、戦略でないもの、二大戦略論について

 事業部制を採用している大きな企業において、戦略は3つの階層から構成されていることがあります(図5)。全社戦略は、複数の事業部門をポートフォリオとして捉え、重点を置く事業とリソース配分を決定するものです。ビジネスアーキテクチャーは、事業部単位で構築することが望ましいため、ビジネスアーキテクチャーにおける戦略とは事業戦略と考えて差支えないでしょう。一方、機能戦略は事業戦略に対する戦術であると考えれば、分かりやすいかもしれません。たとえば、プロセスを自動化しようとするIT戦略は、オペレーション基盤に焦点を置く事業戦略の中の1つの戦術として捉えることができます。

戦略の階層図5:戦略の階層図5:戦略の階層

 戦略という言葉が比較的新しいものであることは前述しましたが、ビジネスの世界において濫用または誤用されている場合が多いようです。実際のところ、戦略が曖昧なままで財務目標だけ掲げている企業は、バックミラーを見ながら事故に合わないように祈っているようなものです。戦略ではないもの、戦略といえるものを簡単に整理してみました(図6)。

図6:戦略でないもの図6:戦略でないもの

 ところで、世の中には数多くの戦略論が存在しますが、東の横綱がポーター教授によって提唱されたポジショニング・アプローチとすれば、西の横綱はバーニー教授をはじめとする学者によって提唱されたリソースベースド・アプローチではないかと思います。前者が競争優位の源泉を魅力のある業界とその業界内におけるポジションに求める一方、後者は組織内部の独自リソースとそれを使いこなす能力に求めるものです。

 この2つの戦略論を並べてみると、相反するものではなく、相互に補完するものであることは一目瞭然です(図7)。もちろん、このように簡単にまとめてしまうほど単純な話ではないので、ご参考程度に見ていただければと思います。

二大戦略論の比較図7:二大戦略論の比較

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この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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