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「位置情報」と「自撮り」から読み解く訪日観光客のリアル

対談:中土井利行氏(ウイングアーク 1st)☓岡崎茂生氏(フロンテッジ)【後編】

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観光アプリのローミングデータ

中土井 今年は春節よりも桜のシーズンに多いですね。国のデータだけですと、日本に入ってきた全体の数までです。それからアンケート情報で、都道府県単位でどれくらい泊まっているのかは分かるのですが、やはり施策にからめるには、もう少し詳細なレベルが必要になります。
 またモバイル経由のデータもいくつか提供しています。一つはNTTドコモさんの携帯電話ネットワークのしくみを利用して作られるデータ。日本人のデータだけでなく、当然外国人も対照です。約400万人のローミングデータを捕捉していて、各市区町村に何人、どの国からやってきているか、調査するようなデータとして使えます。

岡崎 このデータを見ると思わぬ所に来てたりしますね。意外なことに東京近辺の宿泊施設は少なく、高いので郊外に泊まっていたりします。そうすると、その地域のコンビニで爆買いされる可能性があるというのは、データでつかめる。

中土井 特殊な要因の影響もわかります。たとえば昨年、山口県山口市のひかりヶ浜でボーイスカウトの世界大会があった時、観光客が異常に増えました。また栃木県にツインリンク茂木というサーキット場があり、二輪のGPがあったときにスペイン人とかオーストラリアとか二輪ライダーが活躍している国が急激に上がったりとか。昨年は横浜市港北区にアルゼンチン人が大量にやってきた。これはサッカーのクラブチャンピオンシップ。こういうイベントが結果として現れている。
 また国が地方創生のために地域経済分析システム(RESAS:リーサス)を構築し、情報を提供しているのですが、どうしてもまだ、施策には活かせない白書レベルのデータしか見られないのが現状のようです。実は我々が民間版リーサスと勝手に自称しているのですが、市町村単位でどれだけの方が、どんな風に分布しているかが分かるデータを提供しています。
 たとえばある県が、自分たちのエリアの中に大きな観光都市を抱えていたりするのですが、他のエリアは中々その恩恵に預かっていない。あるいは隣接する東京にはものすごく外国人が訪れているにも関わらず、交通の便が良すぎて素通りされてしまったりとか。そこで足止めして観光してもらうにはどうすればいいかというようなことを考えるのですね。
 ドコモさんのデータは比較的サンプル数が多いということもあって、訪日外国人のマクロ的な見方には非常に有効性が高い。ただ、どこで何をしているかがつかめないところもあります。ナビタイム社が最近、訪日観光客向けのモバイルアプリケーションを出しており、そこから周遊状況を出すことができます。たとえば東京から箱根に行くときは、どのルートを一番通っていうか。東名か小田急か、東海道なのかまで表現出来ます。そのほか、昼食時にどこに滞在しているのかなどのデータを取得することもできます。

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