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ビジネス計画の構造を表すモチベーションモデルとは?

第16回

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ビジネス計画の第一歩は、「影響要因」の理解

~敵を知り己を知れば百戦危うからず~

 モチベーションモデルの1つ目の柱は、「影響要因」です。影響要因とは、自社のビジネスに何らかの影響を与える可能性がある要素の状況やトレンド、変化を意味するものであることは前述したとおりです。影響要因は、いくつかの種類に分類することができます(図4)。

 まずは、事業体の境界線の「外部」にあるものと「内部」にあるものとに分けることができます。事業体の境界線の外部にある要因は、さらに「マクロ要因」と「ミクロ要因」に分けられます。前者は、単独の事業体だけではコントロールすることがほとんど不可能なものであり、典型的なマクロ要因には、「政治」「経済」「社会」「技術」「法律」「環境」(頭文字をとって「PESTLE」と呼ばれます)があります。後者は、自社の属する産業の周辺にあるもので、典型的なミクロ要因には、「競合企業」「買い手」「売り手」「新規参入者」「代替オファー」「補完事業者」(ポーター教授が提唱した5つの競争力に補完事業者を加えたもので、「6フォース」と呼ばれることがあります。。

 ビジネス計画の第一歩は、孫子が言うところの「敵を知り(外部影響要因)、己を知る(内部影響要因)」からスタートします。

影響要因の構造図4:影響要因の構造

 ここで、図の記号の説明を復習も兼ねてしておきます。図の中の△は「種類」を表す特殊な関係性です。図4を例にすると、「マクロ影響要因は、外部影響要因の種類である」というように解釈します。第1階層である「ビジネスモデル」で頻繁に登場した◇は「部分」を表す関係性でしたので、違いをご理解しておいていただければと思います。

「アセスメント」とは、影響要因に対する判定

 モチベーションモデルの2つ目の柱は、「アセスメント」です。アセスメントとは、後述する目的の達成や手段の採用のために、影響要因に対する何らかの判定を意味するものです。アセスメントに際して、シンプルで最も活用されているツールが「SWOT分析」でしょう(図5)。これは、外部影響要因から「機会と脅威」、内部影響要因から「強みと弱み」を判定することを意味します。さらに、アセスメントから企業(あるいは業界)にとっての「重要成功要因」(CSFもしくはKSFと呼ばれることもあります)を見つけ出していきます。

アセスメントの構造図5:アセスメントの構造

 もっとも、SWOT分析は評価者の主観によるものですので、外部環境の変化は機会にもなったり、脅威にもなったりします。正しい活用方法を理解していないと、SWOTではなく「So what?(それが何?)」という結果になってしまうことがあります。定量的かつ客観的な分析方法については、今後の連載であらためてご紹介していきます。

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「目的」とは、ある時点での辿り着きたい将来像

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この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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