SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

ビジネスアーキテクト養成講座

イノベーション実現のための「ビジネス構造」の可視化

第15回

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

ビジネスモデル全体の構造を可視化して、イノベーションを実現する

 今回は、簡単ではありますがビジネスモデルの9つの構成要素の総括をしてまいりました。あらためて全体像を表してみましょう(図13)。プロダクト革新、顧客インターフェース、オペレーション基盤の中身と要素間の関係性を確認することによって、ストーリーテスト(スジが通っているか?)をもう1度検証していきましょう。さらに、財務基盤を確認することによって、ナンバーテスト(収支が取れているか?)を検証することができます。

ビジネスモデル全体の構造図表13:ビジネスモデル全体の構造

「プロダクト・イノベーション」から「ビジネスモデル・イノベーション」へ

 デザイン思考のイノベーションコンサルティング企業である米国Doblin社によると、多くの企業によるイノベーションの取り組みのほとんどは成功を収めておらず、最も確実に失敗する方法とはプロダクトのみに焦点を当てることであると言及しています。同社は複数のビジネス要素の組合せによるイノベーション実現のためのアプローチを提唱しています。

 新しいアイディア創出のためには、「SCAMPER(とびまわる)」というチェックリストが便利です。それは、「Substitute(代用できるものはないか?)」、「Combine(結び付けることはできないか?)」、「Adapt(応用することはできないか?)」、「Modify(修正することはできないか?)」、「Put to other uses(他に使いみちはないか?)」、「Eliminate(削減することはできないか?)」、「Reverse(逆にすることはできないか?)」によるブレーンストーミングによるものです。

 さて、ビジネスモデル総括の締めとして、レンタカー業界にイノベーションを起こしたZipcarのビジネスモデルをご紹介して終わりたいと思います(図14)。同社のCEOは、アニュアルレポートで「我々は、皆さんが必要とする際の足である(We are wheels when you want them.)」と述べています。皆さんのイノベーション活動にビジネスモデルが参考になれば幸いです。

Zipcarのビジネスモデル図表14:Zipcarのビジネスモデル

(参考資料)

  • 『Business Model Ontology』 (Alexander Osterwalder)
  • 『Ten Types of Innovation』(Larry Keeley)

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
ビジネスアーキテクト養成講座連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング