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濱口秀司が語る「バイアス壊しが重要な理由」

濱口 秀司/「HPSWorld 2013」 基調講演レポート・前編

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京都の街に合うEVシステムを作る

京都の街に合うEVシステムを作る京都の街に合うEVシステムを作る バイアス壊しの2つ目の事例は、実際のビジネスのもの。各社がEVを手がけるようになり、新鮮味がなくなってきていると感じたある自動車会社が、EVの特徴づけを試みた。
 ある社員が、制約条件を加えることで面白いアイデアが生まれるのではないかと考え、京都にぴったりのEVシステムを作るにはどうすればよいかを考えようという案を出した。

 社内で議論しつつ、コンサルティング会社とデザイン会社計5社から、このような「京都に合うEVシステム」案を募った。

 小さく邪魔にならないサイズで、iPadやiPhoneとの親和性が高いといったことが強調されたアイデアが出されたが、同企業の幹部は、どれも面白みがないと感じた。これまで既にあった考え、先入観に近いアイデアばかりが出されていたということだ。

 そこで相談を受けた濱口氏は、EVにまつわるバイアスをどう壊すかを検討するために、5社の提案を見たうえで、図表6のようなチャートを作った。

図表6 「京都に合うEVシステム」を検討するためのアイデアの構造化
  •  車のサイズを横軸にとる。真ん中に標準のカムリ、右側にはバスや電車くらいの大きさの乗り物を置く
  •  人間は乗り物ではないが、徒歩は移動手段の一種なので、一番小さな乗り物と見なし、左側に置く
  •  縦軸には、モビリティ(移動自由度)をとる

 縦軸に移動自由度をとったことから、面白い発見があったと濱口氏。

 基本的に5社から出てきた案は、すべて2,3人乗りの小さなEVを前提にしていた。背後には、京都の狭く小さな路地に入っていかなくてはならないといった理由があるのだろう。

 乗り物のサイズが大きくなればモビリティは下がる。逆に小さければ、ちょこまか動ける。当然である。しかし、もしかしたらこれがバイアスかもしれない。

 図表6に新しい線を加えてみる。もちろん、2,3人乗りではなく5人乗りを提案するなどという発想ではない。2,3人乗りという発想を尊重しつつ、線を上に上げていくと、『2人乗りのくせに、電車なみに動きが悪い』というコンセプトが出てきた(図表7参照)。

  聞いた瞬間に皆さん、『え?』と思うのではないだろうか。これがイノベーションの始まりだ。バイアスが壊されたからだ。自分でさえ、小さいのなら動きがよくなければ、と思った。ここからが、先入観との戦いだ。

図表7 バイアスに対抗するアイデアのある場所

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イノベーションのコツは、バイアスを壊すアイデアで“強制発想”をすること

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