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濱口秀司が語る「バイアス壊しが重要な理由」

濱口 秀司/「HPSWorld 2013」 基調講演レポート・前編

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バイアスの見つけ方、壊し方

 あるものに対するバイアスを見つけて壊すためには、まず「視覚化」、「構造化」しなければならないというのが濱口氏の主張だ。

 アイデアを単に4つ示し、それぞれのバイアスを見つけ、壊しなさいというテストをしても、答えることは不可能だ。たとえ、1つ1つのコンセプトを説明されても無理なはずだ。

 4つのアイデアを、A、Bという特性に分けて並べ替えて見せる(図表4参照)。そうすると、それぞれのアイデアの特徴が明らかになり、AとBは二律背反か、つながっているか、Aを取るとBが取れなくて、Bを取るとAは取れないといった関係性が見えてくる。

図表4 アイデアの構造化と視覚化

 濱口氏は、バイアス壊しのトレーニング例として、昔話の「桃太郎」と「京都の町に合うEVシステム」を挙げた。

「桃太郎」のバイアスを壊して「新桃太郎」を作る

 まず、「桃太郎」のお話を構造化してみよう。昔の日本のヒーローもので、キジやサルなどの仲間もいるので、「複数戦隊もの」と分類できる。その対極には、「ロンリーヒーローもの」がある。また、白黒はっきりした勧善懲悪の物語である。同じヒーローものでも、善悪の分け方が曖昧でグレーなタイプの物語もある。

 こうして視覚化した図表5について、濱口氏は次のように解説した。

図表5 「桃太郎」のストーリーの構造化

 一番極端な右端では、どんな話が作れるか。たとえば、鬼を退治して宝物を積んで船で帰ってくるところまでは同じだが、突然、岸の手前でキジに飛びかかって、焼き鳥にして喰ってしまった、などが考えられる。

 さらに『新桃太郎』は複数ではなくて単独もので、かつ、おじいさんとおばあさんに宝物を持ち帰ってくるからいい奴であるが、仲間を喰ってしまうので悪者ではないかなどと考えると、右下に移動してくる。こうして、元のお話の構造が壊れていく。

 自分たちのビジネスの常識、先入観というものは、構造化しないと壊しようがない。皆さんのビジネスに当てはめて考えてみてほしい。

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京都の街に合うEVシステムを作る

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