これまでの電子帳簿保存法は7年間の領収書の原本保管義務を規定していたが、コンカーらは、これを労働者個人の生産性の低下のみならず、社会的コストを生む要因と考え、日本CFO協会、日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)、新経済連盟と連携し、規制緩和に向けたガバメントリレーションズ活動を展開していた。これらを受け、2015年12月に政府与党より発表された「平成28年度税制改正の大綱」において、スマホでの経費精算と領収書破棄に関する規制緩和が決定された。
2016年7月7日には、国税庁より詳細の運用ルールを定めたガイドラインが発表され、クラウド型経費精算システムでタイムスタンプを押印した状態の領収書画像を原本とする場合、紙の領収書を一定期間保持し、定期検査(第三者による領収書の突合確認など)の後、紙の領収書の破棄が認められるプロセスとなった。
9月16日に国税庁から発表された追加ガイドラインでは、法人カードの利用など、一定の条件を満たした経費精算については、定期検査なしに紙の領収書の破棄を認める内容となった。この追加規制緩和は、9月30日より施行されている。国税庁が指定する条件は次のとおり。
- 法人カードを利用した決済であること
- 法人カードの利用明細と紙の領収書やレシートの写真(タイムスタンプ付)をひもづけて保管すること
- 上長が承認した経費であること
コンカーによると、領収書電子化が認められることで、法人カードを利用している企業の工数省力化が見込めるという。また、法人カードの導入が進むことにより、経費精算におけるガバナンスの向上(経費金額に関するの不正の防止など)も実現可能だという。
なお、コンカーの経費管理システム「Concur Expense」は、対応法人カードを利用の場合、クレジットカード会社より直接、個々の取引の利用明細がデジタルデータにて届き、各個人の経費精算に活用することが可能。加えて、その利用明細と、電子化された領収書画像をひもづけて管理できる仕様になっている。
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