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顧客サービスのためのWatson活用法:コグニティブ+ボットでここまで変わる

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 昨今、第3次人工知能ブームといわれているように、機械学習やディープラーニングといった人工知能領域の情報が溢れている。Google傘下のDeepMind社が開発したAlphaGoが囲碁の世界トップレベルのプロ棋士から勝利したというニュースは、既に何年も前のことのように感じるが、実は2016年2月のことである。それだけ、この分野の進歩は早く、企業の取り組みも盛んだということだろう。

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Watsonはコグニティブ・コンピューティング

 昨今、第3次人工知能ブームといわれているように、機械学習やディープラーニングといった人工知能領域の情報が溢れている。Google傘下のDeepMind社が開発したAlphaGoが囲碁の世界トップレベルのプロ棋士から勝利したというニュースは、既に何年も前のことのように感じるが、実は2016年2月のことである。それだけ、この分野の進歩は早く、企業の取り組みも盛んだということだろう。

 こうしたブームを牽引しているのが、2011年に米国の人気クイズ番組であるJeopardy!でチャンピオン2人から勝利したIBM Watsonである。IBMはWatsonに対しては、人工知能という呼称は避け、コグニティブ・コンピューティングを標榜してきた。人間の知能に完全に置き換わるものではなく、あくまで人間の思考や活動を支援するものという位置付けで、すでに世界中で多くの実績が公開されている。日本でもみずほ銀行のコンタクトセンターでの事例などは耳にしたことのある方も多いのではないだろうか。

 コグニティブとは、認知・認識という意味で、文書(自然言語)や画像といったデータから、何を言っているのか、何が写っているのかなどを認識することを意味する。いままでのコンピュータは、文書や画像を取り扱うことはできても、そうした認識まではできなかった。人間が見て分かればそれでよかったのである。コグニティブ・コンピューティングとは、コンピュータも文章や画像の意味を理解したり音声認識/合成が出来るようにする取り組みなのだ。

 Watsonは大企業でしか使えないと考えている方もいるかもしれない。実は、そんなことはない。2015年からIBMのクラウドサービスであるBluemix上でWatsonの多くのサービスが使用可能になった。Bluemixは初期費用が不要であり、サービスを使用した分だけ支払うという一般的なクラウドサービスと同様の課金体系である。つまり、大企業でなくても十二分に使える可能性があるということだ。では、何に使えば良いのだろう。Watsonが提供するコグニティブという利点から、企業はどのような恩恵を得られるのだろうか。

コグニティブが生み出す新たな顧客接点

Bluemixで提供されるWatsonのサービスは、Natural Language Classifi er(NLC:質問文などの自然言語を、その意図などで分類する)やRetrieve and Rank(R&R:全文検索で回答候補を見つけ出し、機械学習が回答として望ましい順に並べ替える)といった自然言語系サービスや、画像認識の機能をまとめたVisual Recognition(画像の分類や、人間の顔を認識する)など全体で約30のサービスが提供されている。

Bluemixで提供されるWatsonのサービス群( Bluemixの管理コンソールよりカタログ画面)(https://console.ng.bluemix.net/catalog/?taxonomyNavigation=apps&category=watson

 実際にWatsonを活用するには、こうしたサービスを組み合わせ、自社の情報システムや提供するアプリの中に組み込んでいくことになる。Bluemixで提供されているWatsonのサービスを全体として見れば、照会応答に特に強いような印象を受ける。クイズ番組へのチャレンジから生まれたWatsonの出自が影響しているのかもしれない。そうした強みを持つWatson活用の最右翼はコンタクトセンターなど顧客接点の部分に相当する照会応答系だろう。

 顧客接点にはどのようなものがあるだろうか。問い合わせを電話やメールで受けるコンタクトセンター、Webの問い合わせフォームなどが思い浮かぶ。こうした既存の顧客接点では、顧客の意図や感情はすべてコンタクトセンターのスタッフなど人間が理解しなければならない。ITの出番は電話やメールといった通信手段そのものか、顧客からの以前の問い合わせ履歴といったCRMに限られる。

 ここでの課題がいくつかある。まずはスタッフの教育を常に一定レベルに維持するのはどこのコンタクトセンターでもかなり苦労している。製品やサービスが変わるたびに教育が必要になるのと、人手不足の影響で新規採用をしてからの教育に多くの負荷がかかるためだ。また、タイミングによって増減する問い合わせに対応する難しさがあげられる。電話で問い合わせて長い時間待たされた経験のある方も多いだろう。また、サービスレベルを24時間×365日まで広げるには長時間労働を避けるためにも物理的、法律的な制約も多い。最近では複数の言語による対応も求められている。

 では、ここにWatsonが入るとどうなるだろう。まず、LINEなどのチャットで顧客から問い合わせを受け、コンピュータが自動応答するボットが考えられる。WatsonではConversationというサービスを使うとボットを簡単に開発することができる。

Conversationと先ほど挙げたNLCやR&Rを組み合わせて、より込み入った回答を行うことも考えられる。
NLCとR&Rの使い分けは、下図のように、比較的簡単だが件数の多い一問一答の対応にはNLC、比較的難解で件数は少ない回答候補の探索にはR&Rとなる。

このように、Watson活用によって、効率化と改善が可能になるカスタマーセンターの業務は多岐にわたるが、大きくは「オペレーター支援」「お客様の声分析」「チャットボット」などの3つに分類される。

Watsonを使うことで、高い知識を持ったスキルでスタッフをサポートしたり、場合によっては直接答えることで、顧客を待たせることなく、24時間×365日で質の高いサービスを提供することが実現できるメリットがある。

Watson
Watson活用によるコールセンターの変革
質問の頻度に応じたWatsonサービスの利用
質問の頻度に応じたWatsonサービスの利用

 <続く> 本記事の後編は下記、ダウンロード資料でお読みください。

【ダウンロード資料】『コグニティブ時代の顧客エンゲージメント入門』

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本記事のさらに詳しい内容が、下記ダウンロード資料で入手いただけます。ぜひこちらからダウンロードしてください。

  • タイトル:『コグニティブ時代の顧客エンゲージメント入門』(A4版 14頁)
  • 発行:翔泳社 協力:日本アイ・ビー・エム
  • 内容:特別寄稿:『はじめてのWatson』著者 井上研一/インタビュー:日本アイ・ビー・エム株式会社 執行役員 ワトソン事業部長 吉崎敏文/導入事例:IBM Watson 紹介・応答系ソリューション

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この記事の著者

井上 研一(イノウエ ケンイチ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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