発表によると、2016年6月の資金決済法の改正に伴い仮想通貨取引が活発化することが予想される中、仮想通貨の基礎技術であるブロックチェーンに対応する監査体制の構築が必要となる。ブロックチェーン環境における監査においては、分散保管されている暗号化された電子データを前提とした監査手続を行うことが必要になるという。
トーマツは、この監査環境の変化に対応するため、新たなチームの組成により、高品質な監査体制を整えるという。FinTech監査推進チームは、金融機関の監査経験者、大手金融機関での決済システムに精通した者、および仮想通貨の基礎技術であるブロックチェーン技術に詳しい技術者で構成される。
FinTech監査推進チームは、仮想通貨取引を行う企業および仮想通貨交換業者に対する仮想通貨取引に係る監査手続の開発に加え、同取引に必要とされる内部統制についても、同時にアドバイスを行う。
また、仮想通貨取引以外の領域へのブロックチェーン技術の適用に関しても、監査対応を可能とすべく開発を進めるという。ブロックチェーン技術は、仮想通貨や決済取引への利用にとどまらず、将来的にはブロックチェーンを利用したスマートコントラクトによる取引や課金の自動化、さらにはIoT技術により収集された情報のデータベース化等にも利用されることが想定されるという。これらは監査環境を劇的に変化させることが予想されるとしている。