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Biz/Zineセミナーレポート

「デマンドサイド」から考えるビジネスモデル

「Business Model Generation 2013」セミナーレポート第2回

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過去と現在からではなく、未来からビジネスモデルを考えるために

今津美樹▲ 写真:今津 美樹 氏
ITアナリスト、ウィンドゥース代表、明治大学リバティアカデミー講師

●デザイン思考につなげていくために

 小山:新しいものを作っていくときによくやるのが、ワールドカフェ(注1)という会議手法との組み合わせです。たとえば、みんなで集まって、2050年の自社の事業というのを書き出します。ある50人くらいのIT企業で社長以下全員が集まったのですが、模造紙に描かれた様々な事業のなかから自社のビジョンに合うものを抽出しました。2050年に医療系に進出しているとしたら、来年は医療関係向けのソリューションをスタートしようというように、2050年のビジネスモデルを描き、さらにそこからバックキャストして来年のビジネスモデルを描くといったワークをやることがあります。

今津:そのように、現在固執しているアイデアからいかに離れるかも重要な点の1つですね。今の大切な顧客をわざと外してみるといったことをやってみたりします。日本は完璧主義な会社が多いので、きちんとした明確なビジョン、契約、管理、予算がないと、なかなか一歩が踏み出せないことが多いのですが、ビジネスモデル・キャンバスは、あくまでもプロトタイプをデザインするものですから、何なら捨ててしまってもこわくない。そこに大胆に活用する価値を見出せると、企業内でも有効に使えるのではないかという印象を持っています。

小山:ビジネスモデル・キャンバスを使っているとき、「これはスナップショットですよ」という説明をよくします。つまり、2050年のビジネスモデル・キャンバスは、2050年のスナップショットであって、そこまでどういう道のりでそこへたどり着いたのかということはなかなか表現しにくい。その時期のその瞬間のビジネスモデルなんです。なので、経営陣に将来像を描くと現実味がないと言われるなら来年のビジネスモデルを、逆に来年のビジネスモデルを見せるとこんな小さなビジネスでどうすると言われるなら、2050年のものを書く。そんなふうにどのタイミングのビジネスモデルをプレゼンするかによって夢も現実的なことも語れる、そんなツールかと思います。

(注)ワールドカフェ

 知恵や知識は、本物のカフェのようにリラックスした雰囲気のなかでオープンに話し合うことで創発されるという考え方に基づいて開発・提唱された対話の手法。

参考:http://world-cafe.net/

●スピーカー紹介(発言順・敬称略)

  • 紺野 登
    KIRO代表、多摩大学大学院教授
  • 松本 匡孝
    株式会社日立ソリューションズ プロダクトソリューション事業部 プロダクト拡販推進部 主任技師
  • 今津 美樹
    ITアナリスト、ウィンドゥース代表、明治大学リバティアカデミー講師
  • 小山 龍介
    株式会社ブルームコンセプト、代表取締役 コンサルタント

●コーディネート・プロデュース協力(敬称略)

・山本 伸
多摩大学医療・介護ソリューション研究所シニアフェロー

●ワークショップ・ファシリテート協力(順不同・敬称略)

飛澤宗則、中野巧、木村祥子、赤坂英彦、大隈広郷、林正道、白鳥徹、タケハラマサシ

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