今回の記事でお伝えしたいこと
- 「ソーシャル・メディア・分析」、「テキストマイニング」は定着
- 次の興味関心は「ビッグデータ分析」「行動解析」「AIやDeep Learningの活用」へ
- モバイルを活用した新しいMR手法の普及はこれから
- 新しいMR手法を利用する一番の目的は「生活者研究」のため
- アイディア探索には「オンライン・コミュニティ(MROC)」と「消費者参加型ワークショップ」
「ソーシャル・メディア・分析」「テキストマイニング」は定着し、次の興味関心は「ビッグデータ」「AIやDeep Learningの活用」へ
今回は、「ソーシャル・メディア・分析」や「ビッグデータ分析」などの新しいMR手法の実施状況と今後の見通しについてお伝えします。まずは、「ソーシャル・メディア・分析」と「テキストマイニング」ですが、これらは既に実施率が過半数を超え、定着フェーズに入ったと考えてよさそうです。
一方で、「ビッグデータ分析」の実施率は28%と8ポイントの伸びは見られたものの、周囲の盛り上がりから考えると少し意外な結果にも思えます。その理由を推測すると、今回の調査がMR担当者に対して行われたものであり、ビッグデータ分析が高度な専門スキルを要することからMR部門以外でビッグデータ分析がなされた、もしくは生産管理や販売管理などMR部門以外でのビッグデータ分析が本調査には反映されていない可能性があります。しかしながら、「ビッグデータ分析」の2年後の利用は、MR部門でも72%が増えると回答しており、今後「ビッグデータ分析」はMR領域においても活躍の場を拡げていくものと思われます。その他、2年後の見通しとして、「AIやDeep Learningの活用」(60%)、「行動解析」(57%)、「画像解析」(46%)の利用が増えるとの回答結果から、今後、MRとテクノロジーの融合が一層進んでいくことが予想されます。
次にもうひとつの意外な結果として、スマートフォンの急速な普及にもかかわらず、「モバイル定量調査」(▲1ポイント)、「モバイル定性調査」(▲5ポイント)、「Webカメラによるインタビュー」(▲3ポイント)とモバイル系の新しいMR手法はいずれもスコアを落としています。ただしこちらも、2年後の見通しとして、「モバイル定量調査」(59%)、「モバイル定性調査」(43%)、「Webカメラによるインタビュー」(29%)の利用が増えるとの回答結果から、モバイル系の新しいMR手法は試行錯誤しつつも、いよいよこれから本格化といったところだと思われます。