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「マーケティング・リサーチ」から「イノベーション・リサーチ」へ移行する、MRの活用領域

「マーケティング・リサーチの現状に関するアンケート2017」から考えるMRの未来:第2回

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 2017年7月14日に開催された日本マーケティング協会主催セミナー『ビッグデータ社会におけるマーケティング・リサーチの新たな兆し』での調査報告をもとに、マーケティング・リサーチ(以下、MR)の現状と未来について3回にわたって考察していきます。1回目:主要指標から読み解くMRの現状(7月18日公開)、2回目:MRに期待する役割の変化(今回) 、3回目:新しいMR手法の実施状況と今後への期待(7月25日公開予定)。

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今回の記事でお伝えしたいこと

  1. MRの焦点はモノからヒトへ
  2. 探索を目的としたMRは、グループ・インタビューからデプス・インタビューへ
  3. 現在、最も成果のあがっていないMRテーマは「生活者研究」
  4. 今後、最も成長が期待されるMRテーマも「生活者研究」

MRに期待する役割の変化──期待値に上下のあったテーマとその理由

 前回の記事では、MRへの期待度と満足度が低下する一方で、重要度が増加している現状についてお伝えしました。引き続き2017年7月14日、公益社団法人 日本マーケティング協会が発表した「マーケティング・リサーチの現状に関するアンケート」の調査結果をもとに、MRの現状と未来について考察していきます。

 企業は、多額のコストを要するにもかかわらず、何を目的にMRを実施しているのでしょうか?

 2000年以降、右肩上がりで増加していた「経営全般の意思決定・課題解決」への期待がここにきて48%と頭打ちに、ずっと減少傾向にあった「個別事業やプロダクツの課題解決」への期待が43%と大きくスコアを伸ばしました。

MRに期待する役割(2017年)図11 MRに期待する役割(2017年)<n=108>
出典:公益社団法人 日本マーケティング協会 「マーケティング・リサーチの現状 2017年度 調査報告」

 まず、「経営全般の意思決定・課題解決」への期待が頭打ちとなった理由ですが、MRのデータだけでは単純に経営の意思決定ができなくなった、つまりより複合的な視点で経営の意思決定をする必要があり、相対的にこのテーマに対するMRの役割が低下したものと推測されます。加えて、データドリブンなMRの先進企業では、マーケティングダッシュボードを構築し、必ずしもMR部門を介さなくても、販売データや来店者数などの重要指標がほぼリアルタイムに把握できる環境が整いつつあります。既に従来のMRデータに購買データ、アクセスログデータ、ソーシャルメディア分析データなどを融合する取り組みも進んでいますが、今後、このながれは加速し、より的確な経営全般の意思決定がなされていくことになると考えられます。

 一方で、「個別事業やプロダクツの課題解決」が大きくスコアを伸ばした理由ですが、マーケティングにおけるPDCAサイクルが加速したことで、現場判断で課題解決を求められるシーンが増加した結果だと推測されます。今回のセミナーでは、日本有数のMR先進企業の関係者を集めたパネルディスカッションも行われたのですが、その中での最重要キーワードのひとつに『スピード』が挙げられており、PDCAサイクルの加速を裏付けるとても興味深い内容でした。

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MRの実施テーマで注目の「顧客満足度(CS)調査」と「生活者研究」、「グループからデプス」へと移行するインタビュー

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この記事の著者

山崎 晴生(ヤマザキ ハルオ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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