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クリステンセン「ジョブ理論」入門

なぜ顧客はあなたの商品を「雇わない」のか?「障害」と「代替」からジョブを考える

連載第4回

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今回のテーマは、4要素の障害 (Barriers)・代替解決策 (Solutions)である。この二つは顧客が意識できていないことであり、未解決ジョブを発見する鍵となりうる。

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ステーブ・ジョブズがマーケティング調査を行なわなかった理由

ジョブ理論

ジョブの4要素のうち、「ジョブ (Job)」と「目的 (Objective)」はいわば顧客も意識していることで、希望を聞いていけばいつかは辿り着けるようなことだ。それは、インタビュースキルが備わっていて、相手が本音を語ってくれることが前提ではあるが、ジョブはある程度自覚されている。少なくとも切実でビジネスにつながる可能性のあるジョブは自覚されている。

つまり、「何がしたいのですか?」「もっとどうなったらいいですか?」「なにを目指していますか?」こういった質問を投げかければ、本人がなしとげたいジョブや目指している進歩を知ることはできるだろう。しかし、これだけでは不十分である。

ジョブ理論

スティーブ・ジョブズは「人は形にして見せて貰うまで自分は何が欲しいのかわからないものだ」と断言し、マーケティング調査を実施しないことで有名だった。

また、初めて自動車の量産に成功したヘンリー・フォードは「もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えていただろう」と言ったという。

つまりジョブズもフォードも、顧客が欲しいものを知っていたのだ。

ジョブを構成する4要素のうち、「障害」と「代替解決策」は、ジョブズやフォードが持っている視点になる。
ジョブだけでなく、さらに顧客がやりたいことをとりまく状況を客観的にとらえ、適切な解決策を提供していくかがとても重要なステップになる。

ジョブは作り出すのではなく、見つけ出すものだ。(『ジョブ理論』)

フォードの例で考えると、「もっと速く移動したい」というジョブは、長い間変化しない、普遍的なものである。単に速いだけの移動手段ならば、鉄道もあるし、それこそ競走馬のように速い馬も存在した。また、自動車はすでに存在していた。ただ、フォードが連続生産ラインを発明する前のものはとても高価で、ほとんどの人には手が出ないものであった。にもかかわらず、人々は馬を移動手段として飼い続けている状況に注目した点を「発見」できるだろうか。

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この記事の著者

津田 真吾(ツダ シンゴ)

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