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クリステンセン「ジョブ理論」入門

なぜ顧客はあなたの商品を「雇わない」のか?「障害」と「代替」からジョブを考える

連載第4回

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デザインの重要性:アフォーダンスとは

「金銭」「アクセス」「時間」「能力」のハードルを下げることは、要するに顧客にとって「身近」なものを提供することである。英語では「アフォーダブル(Affordable)にする」という言い方をする。日常会話ではアフォーダブルには「手頃な価格」という金銭面を指すことが多いが、もっと広がりのある言葉である。デザインの領域において、ユーザーに考えさせることなく商品を取り扱うことのできる性質のことをアフォーダンス(Affordance)と呼び、デザイン性の非常に重要な概念となっているのはこのためである。「アフォーダンス」を提供する4つの切り口を意識してヒット商品のデザインを眺めてみると、今までとは違ってモノが見えてくるはずだ。カタカナの「デザイン」はモノの表面的な意匠のことを指しているようなニュアンスがあるが、本来のDesignは設計という意味も持つ幅広い概念である。

ジョブを解決しようとするユーザーにとっての障害を取り除くことを念頭に置けば、果たして見た目以外にも見直すべき点があるかどうか見えてくるのではないだろうか。特に、金銭的な障害にばかり注力し、低価格化したくないのであれば、他の3つの障害を取り除く方法を追求するのは必然である。デザイン性を高めることはコストアップにつながるとしか持っていないのなら、使い易さを高めることは価格を下げるのと同様にアフォーダンスを高めると考えを改めたい。

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津田 真吾(ツダ シンゴ)

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