GEをデジタル・インダストリアル・カンパニーへと変革する、「事業」と「企業文化」の両輪にある「3つの原動力」

Biz/Zine Day 2017 Summer 「IoTによるものづくり企業の生存戦略」 レポートvol.4

 8月9日、Biz/Zineは「IoTによるものづくり企業の生存戦略」をテーマとするイベント「Biz/Zine Day 2017 Summer」を開催した。GEジャパン株式会社 代表取締役社長兼CEOの熊谷昭彦氏による基調講演では、先頃CEOを退いたジェフ・イメルト氏による選択と集中の実績と、今もただ中にある同社のドラスティックな変革の道筋が、多数の事例を交えて詳しく語られた。

[公開日]

[講演者] 熊谷 昭彦 [取材・構成] やつづかえり [写] 和久田 知博 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] 事業開発 デジタル・インダストリアル・カンパニー プレディックス ブリリアント・ファクトリー シンプリフィケーション GE Beliefs Fast Works

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製造業へ原点回帰するGEは、ソフトウェア開発力も付加し「デジタル・インダストリアル・カンパニー」へ

 本講演の前週、GEは16年間CEOを務めたジェフ・イメルト氏が退任するという大きな節目を迎えた。熊谷氏はまず、イメルト氏が在職中に成し遂げた変革の内容を紹介した。

 イメルト氏がCEOになった16年前のGEは、製造、金融、エンターテインメントなど様々な産業にまたがるコングロマリットだった。しかし彼は思い切った買収や売却を行い、選択と集中を進めていく。中でも、前任のジャック・ウェルチ氏が生み育てたと言っても良いプラスチック事業部門を手放したこと、一時はGE全体の利益の55%を生み出していた金融事業のGEキャピタルを売却したのは、大きな決断だったという。そのようにして、GEは本家本元の製造業に立ち戻ったのだ。

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 結果として、GEはインフラ産業に特化した製造業として、事業ポートフォリオをエネルギー、輸送、医療の分野に集約した。そして現在は、ソフトウェア開発などのデジタル技術の導入に力を入れている。熊谷氏によると、その背景には「経営陣の大きな危機感」があった。

我々は長年ハードウェアのメーカーとして、様々な機器を世界中に供給してきたわけですが、かたや、ここ数年世界中で一番伸びているのはまさしくITカンパニー、中でもグーグルさん、アマゾンさん、マイクロソフトさん、そういうところが急激に伸びてきた。彼らの大きな戦略は、ソフトウェアを利用して世界中に点在している機器からデータを取り込み、それを分析してソリューションとしてお客様に提供するというものです。我々がこのまま黙っていると、そういった会社さんに“いいとこ取り”をされてしまうという、非常に大きな危機感がありました。

逆にポジティブに考えてみると、我々はこれだけの大きなハードウェアのインストールベースを持っていますので、その上にデータアナリティクスの力を独自につければ、ソフトとハードを両立できる他に類のない会社になれるのではなかろうか、ぜひそこに賭けてみようということで、ソフトウェア部門に思い切った投資をすることになりました。そして、我々が目指すものを「デジタル・インダストリアル・カンパニー」と呼ぶことにいたしました。

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