GEをデジタル・インダストリアル・カンパニーへと変革する、「事業」と「企業文化」の両輪にある「3つの原動力」

Biz/Zine Day 2017 Summer 「IoTによるものづくり企業の生存戦略」 レポートvol.4

[公開日]

[講演者] 熊谷 昭彦 [取材・構成] やつづかえり [写] 和久田 知博 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] 事業開発 デジタル・インダストリアル・カンパニー プレディックス ブリリアント・ファクトリー シンプリフィケーション GE Beliefs Fast Works

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GEの「サービス・トランスフォーメーション」はいかに進化しているのか、日本のものづくり企業の優位性

 「デジタル・インダストリアル・カンパニー」へ向かう原動力の1つ目である「サービス」の内容は、時代とともに進化している。80年代の初めまでは、販売した機器に不具合があったと連絡があれば飛んで行って修理するという単純なものだった。2000年代には長期保守契約が主流になる。顧客が大きな投資をして購入した機器をできるだけ長持ちさせるべく、故障が生じる前からメンテナンスなどのサービスを提供するという考え方だ。この頃からサービスの付加価値が高まり、サービス部門の収益性も向上してきた。そして昨今では、遠隔からのモニタリングやIoTの活用などによって不具合の未然防止やメンテナンスの効率化などが可能になり、ますます付加価値が上がっているという。

 現在、同社が提供している内容は、販売した機器そのものを効率的に活用するためのサービスから、その機器が設定されている施設全体のオペレーションの効率化を支援するもの、さらには製造現場の効率化など、顧客のビジネスプロセス全体の最適化につながるようなソリューションの提供にまで至っている。

 中でも面白い事例として紹介されたのが、「デジタルツイン」である。販売するすべての個別の機器について、同社は「デジタルの双子」とでも言うべきデータを保持している。

それぞれのお客様でどういう使われ方をして、どういう具合にパーツが消耗しているか、センサーから常にリアルタイムでデータが入ってきますので、それを私共がキープしている「デジタルの双子」の方にも反映しているのです。

たとえばお客様の方で何か不具合があると、すぐ我々の手元にある「デジタルツイン」の方で中を覗いてみて、「なるほど、このパーツが消耗し過ぎている」というようなことで、対応が非常に早くとれます。あるいは(故障の)予知という意味でも非常に簡単になりますので、これを幅広く使っています。

 この他、ディーゼル機関車と一緒にその効率的な運転方法を提案する「Trip Optimizer」というソフトウェアを販売し、顧客の燃料代の削減や輸送速度の向上に寄与している例や、GEの製品以外の機器も含めた施設全体の生産性向上を実現する「アセット・パフォーマンス・マネジメント」ソフトの提供、モバイル機器とクラウドとIoTを組み合わせてフィールドサービスエンジニアの業務効率化を図る「ServiceMax」の販売といったビジネスが紹介された。

 熊谷氏は、製造業向けのIoTに関して、日本の市場は一番ポテンシャルが高いのではないかと述べた。日本の製造業の現場では長年にわたってカイゼン活動やリーン・マニュファクチャリングに取り組んでおり、生産性向上に対する一定の実績がある。そこにデジタルを活用するのだと考えれば、同社が提供するサービスは非常に理解されやすい。そのような文化のない欧米の企業では、トップは有用性を理解しても、現場では受け入れられづらいこともあり、日本の製造業の優位性を感じるのだという。

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