“3億円の赤字を出していた会社を10億で買う”社長のもとで育てた、「一貫している仕事へのスタンス」とは
仲山進也氏(以下、敬称略):次の経営管理部長が見つかるまでは、くらいの気持ちで部長職に就いたものの、うまく見つからなかったという話でしたが、どういうことですか?
我堂佳世氏(以下、敬称略):「ふつうに経営管理部長をやっていた人」だと、うちの会社に合わないんです。“どベンチャー”な社風も、さすがに上場企業としてやっていくうちに落ち着いてくるんだろうと思っていたんですよ、私も。さすがにもう冒険的チャレンジはしないでしょと。でも相変わらずで(笑)。
落ち着くどころか、2013年に3億赤字を出していた介護会社を10億で買うか、みたいな話が突如出てきて。私はIRの責任者でもあったので相当社長と検討もしたんですけど、結局、「将来の事業拡大のために、やろう」と決まりました。
やるとなったら、ゴリゴリ入っていって仲間になります。私、今も変わらないスタンスとして、買収した会社に対して“親会社然”とするのが嫌なんです。
仲山:上下の関係にはしたくないと。
我堂:はい。ケータイの店舗に通っていた時からそうなんですけど、分からないのにあれこれ口出したくない、という気持ちがあります。常に同じ目線で仕事をしたいんです。
仲山:やっぱり。ぼくもフラットな関係で仕事をするようにしています。
我堂:中に入り込んで理解するというのが、私のやり方です。現場で仲間を作るんです。飲めないのに飲みに行ってつるんで話を聞いて、面白い人を探す。面白い人を見つけたら、「私はこういうことをやりたい」とビジョンを語るんです。「介護ってマスコミで言われているような本当につらいだけの仕事なんですか? 本当は幸せな面だってあるんじゃないですか?」と聞いていって、仲間を見つけられたら「じゃあ、一緒にやりましょうよ」と巻き込む。
仲山:ホントですか。ぼくもヴィッセルやマリノスで仕事をしたときは、まったく同じスタイルでした! どんな人と意気投合するかで、できることが決まっていく感じ。