出張・経費管理クラウドサービスを提供する株式会社コンカーは、平成27年度より2年連続で改正された電子帳簿保存法の規制緩和を受けて、日本CFO協会に協力し「請求書電子化に関する企業の取り組み状況の実態調査(日本CFO協会実施)」を実施した。
本調査より、請求書の保管・輸送や請求書処理業務の負担軽減に対する期待感が強く、多くの企業が請求書電子化を前向きに検討している一方、電子帳簿保存法へのシステム対応や請求書処理プロセスの変更を不安に思う企業の実態が明らかとなった。
請求書電子化のメリットを感じる企業は9割以上、特に請求書保管・輸送コストの削減に対する期待が最も高い
請求書電子化にメリットを感じると回答した企業は全体で92%と非常に多く、中でも保管・輸送コストの削減については91%の企業がメリットを感じると回答。他にも請求書入力業務の負担軽減(73%)、管理部門の請求書内容チェックの負担軽減(70%)、管理職による承認業務の負担軽減(66%)、税務調査時の手間の軽減(69%)と、多数の企業が請求処理業務の負担軽減にメリットを感じている。
請求書電子化の導入意向は75%で、領収書電子化の導入意向よりも高い
請求書電子化の導入意向については全体の75%が導入済み・導入中・導入検討と回答しており、昨年実施した調査(*1)における領収書電子化の導入意向の46%と比較しても圧倒的に多いことが分かった。また、3年以内の導入意向についても、領収書電子化の36%に比べ、請求書電子化については97%と、導入意向のあるほぼ全企業で電子化導入が実施される見込み。昨年に比べて電子帳簿保存法に対する認知度が向上した他、領収書電子化は経費精算を行う全ての従業員が対象となるのに対し、請求書は請求書処理を行う限られた従業員のみが対象となるため、電子化導入がより容易であることが考えられる。
請求書電子化の導入はクラウドサービスを活用
請求書電子化を導入する際に、クラウドサービスを採用すると78 %が回答。平成27年度、28年度と2年連続で電子帳簿保存法の規制緩和が行われた背景から、頻繁に変わる要件に対応するため、自社で機能開発が不要、かつ、常に法的要件を含む最新機能を提供するクラウドサービスを利用する企業が多いという結果が得られた。
回答者の多くが電子帳簿保存法の制度要件へのシステム対応と業務プロセスの変更に不安
請求書電子化に着手する際の阻害要因を尋ねたところ、タイムスタンプ等のシステム的な制度要件に対する追加開発が67%、将来的な制度変更に対するシステムの継続的な改変が61%、複合機やスキャナ等の電子化デバイスと原稿の請求書管理システムの連動が61%と、多くの企業が電子帳簿保存法の制度要件へのシステム対応面に不安を感じていることが見受けられました。また、制度要件に対応した新しい業務プロセスの設計が63%、社内ルールの徹底が60%と、請求書電子化の業務プロセス変更に不安を感じていることが分かる。