noiz豊田啓介氏が語る「建築におけるAI」、Triple Bottom Line柳澤郷司氏が語る「認知のためのAI」
イベント会場になった SHIBUYA CAST. のファサードや広場をはじめ、コンピュテーショナルなデザイン アプローチで知られる建築事務所 noiz の豊田啓介氏は、「建築の世界から見ると、ゲームとかプロダクトの世界はおもしろいし、うらやましいと思うのは、扱える範囲が自分で定義できること」だと語る。
「設計の工程でこれまでの膨大な資料を基に“教師あり学習”をさせてもいいし、あえてディープ ラーニングでブラックボックス的過程がある前提で一定の与件に対して形態生成させてもいい」と、豊田氏。「建築という分野は本質的に複雑系をありとあらゆる階層に含んでしまうものなので、それを人間が意識的にデザインするという困難をどうしてもともなう。十分に与件を整理する知見が溜まれば AI とはむしろ相性がいい分野だと思うし、すべてを決定できないことを前提とする世界を許容できれば、マインドセットや技術プラットフォームが大きく変わる代わりに、できるようになる領域が爆発的に増えるし、これまでとは異なる領域で集合知が形成されて、何か予想を超えたものが生まれるんじゃないかっていう期待感がありますね」。