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リクルート磯貝氏が語る、デザイン組織に必須の「二つの不確実性への適材適所」と「ビジネスへの貢献」とは

登壇者:株式会社リクルート プロダクトデザイン室 デザインマネジメント2部 部長 磯貝直紀氏

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 10月30日、「データとデザインによる両利きの経営」をテーマにしたイベント「Biz/Zine Day 2024 Autumn」が開催された。本記事では、同イベントの特別講演として行われた「リクルートがデザイン組織の進化から学んだ、事業のフェーズごとに必要なデザインの“適材適所”」をレポートする。登壇者は株式会社リクルートプロダクトデザイン室デザインマネジメント2部部長の磯貝直紀氏。リクルートは2019年に組織横断型のデザイン組織「デザインマネジメントユニット」を組成し、幅広い領域へのデザイン活用を進めている。本講演では、同社がその実現に向けてどのような取り組みにのぞんだのか、具体的な事例を交えて語られた。

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なぜ「多様なサービスの展開」がデザイン活用を妨げるのか

 登壇者である磯貝氏は、デザインファームでデザインマネジメントや公共デザインなどの幅広い領域のデザインを経験したのち、2015年にリクルートに入社した。その後はHRやまなびなどの領域におけるプロダクトデザインを担当し、2019年に自身の発案でデザイン組織「デザインマネジメントユニット」を立ち上げた。

「入社後に複数の領域でデザインの業務に従事しましたが、当時は社内でデザインをうまく活用できていない印象がありました。そこで、デザイン組織の設立を提案し、10名程度のグループで活動を始めました。その後、少しずつデザインの活動を社内に浸透させて組織を拡大し、現在は約100名の規模に成長しています」(磯貝氏)

デザイン組織
資料提供:株式会社リクルート/クリックすると拡大します

 デザインマネジメントユニットは社内横断型のデザイン組織。『リクナビ』『ゼクシィ』『じゃらん』『Airレジ』など、幅広いサービスを展開する各事業部を横断し、プロダクトのデザインをメインとしつつ、その周辺領域までを担当する。

 なぜ、かつてのリクルートでは「社内でデザインをうまく活用できていない」状況だったのか。その背景として、磯貝氏は事業特性上の理由を挙げる。

「広く知られるとおり、リクルートは200以上の多岐にわたるサービスを展開しています。さらに、それぞれが対象とするマーケットも多種多様です。また、サービスごとのフェーズも0→1、1→10、10→100と一様ではありません。例えば、『SUUMO』や『ゼクシィ』といったサービスはすでに国内最大級の地位を築いており10→100のフェーズに位置しますが、まだローンチから間もなく、0→1のフェーズのサービスもあります。このように、多種多様な領域で、多岐にわたるフェーズやビジネスモデルの事業を展開するなかでは、デザイナーにも多様な職能が求められるため、デザインの価値を出すのが難しい状態にありました」(磯貝氏)

 デザイン活用が進まなかった具体的な要因として、磯貝氏は「画一的なデザイナー像をあてはめた人材採用」を挙げる。一口にデザイナーといっても、得意分野や活動してきた領域はそれぞれ異なる。そうしたなかで「デザイナー」という画一的な職種名で人材を採用し、多種多様な課題への対応が求められるサービスの現場にアサインすれば、デザイナーの本来の職能とのミスマッチが発生する。

 結果として、デザイン活用による課題解決はできず、社内ではデザインへの信頼や期待すら失われてしまうという。これは、外部のデザイン会社を利用する際も同様であり、自社の課題にマッチする職能が曖昧なままでは、外注の場面でも「有名そうなデザイン会社にとりあえず発注する」という事態に陥りがちだと磯貝氏は指摘した。

磯貝直紀
株式会社リクルート プロダクトデザイン室 デザインマネジメント2部 部長 磯貝直紀氏

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大企業でのデザイン組織の定着を可能にした「プロット図」の開発

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この記事の著者

和久田 知博(ワクダ トモヒロ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

島袋 龍太(シマブクロ リュウタ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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