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ヘルスケアイノベーター探訪

富士フイルム 成行氏に聞く、ヘルスケア事業の成長戦略──「画像×AI」によるヘルスケアイノベーション

第7回

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 医療分野におけるデータ利活用や、AIやロボットによる医療の効率化、企業連携や異業種連携による新規事業創出を通じて課題解決に取り組むイノベーターたちにインタビューする本連載。第7回は、医療用画像管理システム(PACS)でグローバルシェアNo.1を誇る富士フイルム株式会社のメディカルシステム事業部 ITソリューション部長 成行書史氏にお話を伺いました。聞き手は一般社団法人ヘルスケア イノベーション協会 代表理事の大角知也氏です。

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富士フイルムの中核を担うヘルスケア事業

大角知也氏(以下、大角):成行さんは、東京大学大学院理学系研究科を卒業後、富士フイルムに入社し、ヘルスケア関連事業に携わるようになったと伺いました。元々、ヘルスケア業界に関心をお持ちだったのでしょうか。

成行書史氏(以下、成行):いえ、技術志向の会社が写真の次に何をやるのかという技術的な興味から富士フイルムを選んだので、入社当時は医療関連の製品を扱っていることは知りませんでした。入社後、まずは写真分野の研究開発に配属されたところで、あえて医療に関わるのもおもしろそうだと考え、X線フィルムの開発を希望し、そこからヘルスケアのセグメントへの関わりが始まりました。その後、センサーデバイスの技術開発、診断機器の開発などを経て、ITソリューションの開発に携わるようになり、現在に至ります。

大角:成行さんのおっしゃる通り、富士フイルムというと、一般的には写真フィルムのイメージがまだ根強いですよね。会社全体における、ヘルスケア事業の位置付けが気になります。

成行:実をいうとヘルスケアは、当社の中でも古い歴史を持つセグメントです。1934年、写真フィルムメーカーとして創業したわずか2年後に、Xレイフィルムを製品化していますし、1981年には世界で初めてX線写真のデジタル画像化に成功し、1983年にはデジタルX線画像診断システムを発売しました。ヘルスケア、中でも画像診断は、写真で培った技術が生かしやすく、当社としても長年注力してきた領域といえます。

 そして現在、当社にはヘルスケアの他、写真・映像関連サービスを展開する祖業のイメージング、半導体材料やディスプレイ材料を扱うエレクトロニクス、複合機やプリンター関連ソリューションを提供するビジネスイノベーションという、計4つのセグメントで成長を続けています。

提供:富士フイルム株式会社
クリックすると拡大します

大角:ヘルスケアセグメントは、歴史的にも売上的にも富士フイルムの中核を担っているのですね。その中で、成行さんが所属するメディカルシステム事業部は、どのように位置付けられるのでしょうか。

成行:先ほど言及した、画像診断の関連機器や診断画像の管理システムを提供するのがメディカルシステム事業部で、ヘルスケアセグメントをリードする役割を担っています。一方、同じセグメント内には、創薬支援や化粧品開発を行うLSソリューションや、バイオ医薬品の生産プロセス開発、受託製造を行うバイオCDMOもあり、「診断」を中心としつつ、前後の「予防」や「治療」までカバーできるような医療バリューチェーン形成を目指しています。

提供:富士フイルム株式会社
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この記事の著者

山田 奈緒美(ヤマダ ナオミ)

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