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「GG資本主義」を打開するのはトラリーマン──成果を生み続ける“加減乗除”の法則

『さらば、GG資本主義』『組織にいながら、自由に働く。』出版記念セミナー:前編

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 組織に所属しながらルールにとらわれず、自分が信じる道を突き進み、これからの時代を切り拓く新たな働き方として注目される会社員の虎、すなわち「トラリーマン」。その名付け親であるレオス・キャピタルワークス代表取締役社長・最高投資責任者の藤野英人氏が今年6月に上梓した最新刊『さらば、GG資本主義』。トラリーマン “初代モデル”こと楽天株式会社 楽天大学 学長の仲山進也氏が同時期に上梓した『組織にいながら、自由に働く。』。両氏の著書の中で、それぞれ「トラリーマン」についても触れられている。書籍発売記念として開催された2人のトークイベントでは、「トラリーマンの存在価値」についてあらためて議論。前編(クロストーク編)、後編(質疑編)の全2回の記事をお届けする。今回はクロストーク編。

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“自由に働く”は会社の利益につながる

坂崎 絢子さん(以下、敬称略):本日司会を担当するレオス・キャピタルワークスの坂崎です。改めて、弊社代表・藤野のトラリーマンの定義を示しますと、「会社員・公務員でありながら、会社の社命よりも使命に従い、会社のリソースを使って自由に活動し、顧客のために働く社員」です。藤野と仲山さんの新刊には両方ともこの「トラリーマン」のキーワードが登場していますね。

藤野英人さん(以下、敬称略):そうなんです。そもそも僕と仲山さんが出会ったきっかけというのが、トラリーマンなわけで。

仲山進也さん(以下、敬称略):藤野さんがこれからの時代を明るくする“三種のトラ”の一種として「トラリーマン」を提唱していて、その事例として引き合わせていただいたんですよね(*経緯の詳細は、連載『トラリーマンに学ぶ「働き方」』第1回を参照)。

藤野:仲山さんを僕に紹介してくれたのは、今そこで司会をしている弊社広報の坂崎なんですが、実は彼女もかなり「自由に働く会社員」なんですよね。

彼女はもともと記者で、人生で初めてインタビューした相手が僕だったという縁もあって、出版社を辞めてフリーランスとして活動してしばらく経った頃に、私から「一緒に働いてくれませんか?」と声を掛けたんです。なんですが、その時、彼女はすでに“滝ガール”として活動していたんですよ(滝ガールの活動報告サイト)。知る人ぞ知る、滝に魅せられた人なんですよね、彼女は。

仲山:毎週末のように、Facebookに滝の写真がアップされていますよね(笑)。

藤野:それで私が提示したのは「私の仕事と“滝の仕事”が重なったら、滝を優先していい」という条件。それで来てもらえた。まさか本当に優先するとは思わなかったけれど…(笑)。

坂崎:恐縮です。かなり自由に働かせていただいております。

藤野:でも、結果的に僕にも会社にもすごくメリットがあって。彼女が滝をめがけて全国津々浦々巡る中で、いろんな地方の情報を取ってくるんですよね。外の世界での彼女の学びが、僕の学びにもなる。彼女にとっては純粋な遊びかもしれないけれど、いろいろな出会いを通じて彼女が職業人として成長したり、会社に知見をもたらしたりして、結果的に有益なフィードバックをもらえているんです。

ただし、ここで強調しておきたいのは、あくまで“結果的に”フィードバックしているということ。これが逆の矢印となって、「会社のために“滝行”しに行きます」と言うとちょっとおかしくなる。

仲山:滝行(笑)

藤野:藤野:僕が感じているこの実感は、副業といった新しい働き方のメリットになるのだろうと確信できるわけです。

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