人は無意識に自分自身でルールをつくり考えている──新規事業で必要な「異なる視点」を持つために
突然ですが「ナイン・ドット・パズル」という思考問題をご存知でしょうか?
心理学者のJ・P・ギルフォードの研究で知られる問題ですが、ルールは単純で、下の図にある「9つの点をすべて一筆書きの直線で結ぶ。ただし、線は3回のみ折れてよい」というものです。答えを知らない方はこの機会に考えてみてください。以前、筆者も考えましたが…、5分くらい経過した後に検索してしまった記憶があります。
一旦、スクロールせず、ご自身で考えてみてください。
さて、いかがでしたか? 「なかなか解けなかった」「難しかった」という方が多いと思います。解答は下の図のとおりです。
「大きくはみ出してよいなんて聞いていない」「ずるい」などの声が聞こえてきそうですが、それがバイアスです。つまり「人は無意識に自分自身でルールをつくり考えている」ということです。
デジタル・ゲームチェンジの時代において新規事業には「異なる視点」が重要であると書きましたが、異なる視点を持つためには自分自身のバイアスを突破していく必要があります。同じ産業内で長く働いている方、特定分野の専門家・スペシャリストなどは、「ナイン・ドット・パズル」のように無意識に業界のルール・前提条件で考えてしまう傾向にあるため特に注意が必要です。