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新規事業の“デジタル・ゲームチェンジ”

富山の薬売りのビジネスモデルに学ぶ、顧客課題から始まる「6行」のストーリー開発とは?

事業開発で使える、Business Model Syntaxの活用方法

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 前回は、企業内で事業開発を推進していく上で「なぜこの事業が成立するのか」という問いに向き合うことの必要性と、ビジネスモデルをストーリーとして組み上げていく手法「Business Model Syntax」をご紹介しました。今回は実践編として、Business Model Syntaxの活用方法についてご紹介します。

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“なぜこの事業が成立するのか”を示す、Business Model Syntaxの思考プロセス

 前回、新規事業開発において、アイデアが実証実験に進まない理由である「問いのズレ」に関して、問題提起しました。「なぜこの事業が成立すると考えているのか」こそ、決裁者が起案者に対して答えてほしい問いであり、その問いは「受容性」「実現性」「優位性」「収益性」という4つの論点で構成されています。「どのような事業なのか」のみを答えがちな新規事業担当者との間にはズレが生じているのです。

Business Model Syntax

 Business Model Syntaxは「どのような事業なのか」ではなく、「なぜこの事業が成立するのか」を焦点としてビジネスモデルを発想、規定するフレームワークです。

 1つの長文がビジネスモデルを説明する大きなストーリーとなっていますが、各単文は決裁者が指摘を行う4つの論点に対応する構成となっています。「なぜ成立すると考えているのか」という問いに答えるためには1つの大きなストーリーとしての納得度と、各単文それぞれに対しての納得度の双方が必要となります。

 自身でアイデアは保有しているものの、なかなか社内で実証実験の段階まで進めることができない場合に、Business Model Syntaxを通じて、自身のアイデアを整理、規定をしていくと、要素間に繋がりが生まれていない部分、論拠が薄い箇所などが鮮明に見えてきます。繋がりが薄い部分については新たに要素を考え直したり、論拠が薄い場所についてはデスクリサーチやヒアリングを基に補強していったりすることで、「なぜ成立するのか」という問いに答えられる事業アイデアに引き上げていくことが可能だと考えています。

Business Model Syntax

Business Model Syntaxの使い方のコツは「横と縦」の繋がり

 Business Model Syntaxは顧客起点で戦略、仕組み、事業成長を繋げていくフレームワークであり、6つの短文のセットから構成される長文です。

 基本的な思考プロセスは、最上段から各Boxに入る言葉を規定しながら、ビジネスモデルを組み上げていくシンプルなものですが、重要なのは「横と縦」の繋がりを意識することです。「横の繋がり」とは各単文内での整合性であり、「縦の繋がり」とは各単文間での整合性です。この2つの繋がりを意識し続けながら、各Boxを順に規定していくことが重要です。

Business Model Syntax

 今回は富山の薬売りのCASEを用いて、Business Model Syntaxという「フレームワークの活用方法」を解説します。

CASE:「富山の薬売り」


「富山の薬売り」という事業をご存知でしょうか。今から150年程前に富山藩主導の下で行われていた薬売り事業です。行商人が各家庭を訪問し、様々な薬が入った薬箱を無料で置かせてもらい、その後、期間をあけた上で各家庭が使用した分の薬代金だけを貰うというモデルです。この事業モデルは現代でも多くの事業に転用されており、昨今よく聞かれるフリーミアムやサブスクリプションの先駆けとも言われる存在です。

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この記事の著者

堀 雅彦(ホリ マサヒコ)

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