Vorkersハイスコアの背景。自由度の高い働き方を可能にする“性善説”と“Will”とは?
西村創一朗氏(株式会社HARES CEO、以下敬称略):まずは坂本さんにお話を伺ってみたいと思います。実際にユーザベースさんのオフィスに伺った際に、本当に個の自由を尊重していると感じました。実際に自由度は高いですか?
坂本大典氏(株式会社ニューズピックス 取締役 事業開発担当、以下敬称略):我々は「経済情報で、世界を変える」というミッションの実現にむけ、個人の能力を最大限に発揮するために自由を大切にしています。ユーザベースが大切にしている価値観である「7つのルール」という理念でも、1つ目に「自由主義で行こう」を掲げています。そのために大事にしている考えが2つあります。1つ目は “自由”と“プロフェッショナリズム”を両立していることです。自由と責任は常に対であり、高いレベルでのプロイズムを持ち、自由な環境で働くことで高い成果をだすことができると考えています。そしてもう1つは“性善説”に基づいていることです。生産性をあげる働き方は人それぞれです。管理統制された環境よりも、自由に考え、個々人の裁量で働くことで創造性も高まります。働き方だけではなく、自由な働き方ができる環境を整えるには、どういう制度を作るかも自由に決められます。そのためには“性善説”でメンバーを信じることを大事にしています。
西村:続いて、アクセンチュアさんは、他のコンサルティングファームと比べて「働き方改革」の実践が進んでいますが、どのようにして実現されたのでしょうか。
武井章敏氏(アクセンチュア株式会社 執行役員 人事部長、以下敬称略):もともとプロジェクトワークなので、いつまでに何をするかは明確に決まっており、それさえ達成できれば働き方は個人の裁量に任されています。ただ、「会社は社員を信用し、社員は自立して責任をもって働く」という関係が成り立たなければ、“自由に働く”ことの実践は難しいと思います。
西村:結果がでないと評価されないという世界は厳しい、ということですよね。続いて、齋藤さんは、電通社員だったころから今まで様々な会社を見てきて、自由度の高い会社・個人はどのようなものだったでしょうか。
齋藤太郎氏(株式会社dof 代表、以下敬称略):やはり個人の裁量が大きい会社は自由ですよね。「自分たちは自由だ」と思っている社員がいる会社は、突き抜けた発想をすることも多いのではないでしょうか。例えば、サントリーさんは「やってみなはれ」の精神が浸透しており、自由度が高くて、社員の方々も生き生きとお仕事をしているように見受けられます。他の会社でも、オーナー企業には自由度の高い働き方をしている社員が多いと感じます。
坂本:ユーザベースはミッション・バリューに共感すると共に、「個人としてやりたいこと」を強く持っている方しか採用していません。ベンチャー企業では常に早いスピードで変化している中で、チームの垣根を越え、積極的に自分から動いていく必要があります。そのため、「個人としてやりたいこと」が弱く、受け身な方だと、入社後にミスマッチングが生まれ、お互いに不幸になってしまう恐れがあります。そのため、面接では「個人としてやりたいこと」をとにかく深掘りして聞き、それが私達のミッションと合致した方を採用しています。
西村:「自由度の高い働き方」を実現するためには、強い責任感やプロフェッショナリズムが大事です。そして、「自由度の高い働き方」はあくまで手段なので、その中でなにがやりたいかという“Will”が大事ということですね。