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セブン銀行とJTBはどのようにしてAIを事業に取り入れたのか──役員が語る意思決定の裏側

AIビジネス変革フォーラム セミナーレポート

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 1月25日、AI活用による業務変革のナレッジを共有するイベント「AI ビジネス 変革フォーラム 2019」が開催された。  今回は、2つの企業の役員がAIを経営変革に取り入れるプロセスを紹介したセッション「経営の意思決定に人工知能をどう取り入れるか」の様子をお届けする。登壇者は株式会社セブン銀行常務執行役員の松橋正明氏と株式会社JTB執行役員の上田泰志氏、モデレーターをストックマーク株式会社代表取締役CEOの林達氏が務めた。

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『AI銀行』を目指すセブン銀行と交流創造事業への転換を目指すJTBのAI活用

林達氏(ストックマーク株式会社代表取締役CEO、以下敬称略):経営の意思決定に人工知能をどう取り入れるか」ということで、当セッションの特徴を2つ挙げます。1つ目は“役員という立場”です。現場とトップの間に入る、意思決定のキーマンとなる二人の考えは、経営者と現場をどのように動かしていくかのヒントになると思います。2つ目は“立ち位置の違い”です。テクノロジードリブン企業であるセブン銀行さんと、長い歴史とともに大量のデータを蓄積しており、その活用を模索しているJTBさん。両社の立ち位置の違いもお聞きできればと思います。セブン銀行さんはAIについてどのような取り組みをされているのでしょうか。

松橋正明氏(株式会社セブン銀行常務執行役員、以下敬称略): AIという技術が出てきたとき、「セブン銀行が『AI銀行』になるには」というアプローチですべての業務を見直しました。AI導入を前提として業務の棚卸しをしたのです。そしていまでは、AIを取り入れた4つの取り組みが動いています。1つは「現金需要予測」です。機械学習によってATM運用を高度化し、現金の欠品防止を目指しています。2つ目は「定期点検レス」です。利用ログと障害ログから、ATM自身による保守判定を目指しています。3つ目は金融犯罪対策、4つ目はチャットボットによる顧客対応です。

:セブン銀行さんのケースでは、AIを前提とし、業務すべてをAIに置き換えるところから発想を広げたところが大きなポイントだと思います。次はJTBさんの取り組みを教えてください。

上田泰志氏(株式会社JTB執行役員、以下敬称略):創業から107年経ちますが、第三の創業と銘打って経営改革をしています。第一の創業がチケットの代売(代理販売)、第二創業が旅行のパッケージ販売です。そして第三の創業として、デジタルを使って旅行業から交流創造事業へ転換しようとしています。2017年には「AIラボ」というプロジェクトでAI活用によるROIの検証をおこないました。2018年からはR&D機能を設置し、AIやブロックチェーンなどのテクノロジーを研究しながら概念実証をしています。また、具体的なサービスとして、日本マイクロソフトとナビタイムと共同で訪日観光支援アプリの「JAPAN Trip Navigator」をリリースしました。もう一つ、音声アシスタントのAmazon Alexaを用いたコンシェルジュサービスがあります。

:企業はAIの導入によって多くのビジネスプロセスが変わります。JTBさんはこの変革を第三創業として取り組まれており、非常に価値があることだと感じています。

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