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連続起業家スティーブ・ブランク氏が語る、アントレプレナーとイノベーターよる大企業イノベーションの本質

スティーブ・ブランク氏来日セミナーレポート【前編】

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 「企業の寿命が短くなっているのは、経営者の頭が悪いからでしょうか? そうではありません。世界の急速な進化についていけるツールを活用していないからです」と、スティーブ・ブランク氏は話す。  大きな話題となった、アントレプレナーが方法論を学ぶための最初の書籍『アントレプレナーの教科書』の日本での出版から10年。ブランク氏が6年ぶりに来日した。2014年から大企業でのリーンスタートアップ導入を推進してきた先駆者であるラーニング・アントレプレナーズ・ラボ株式会社、一般社団法人Japan Innovation Network (JIN)共催のセミナーで、既存組織からのイノベーションのための方法論を語った内容を前後編にわけてお届けする。

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企業内イノベーションでヒーロー物語が語れるのは、プロセスの“失敗”の象徴

多くの企業は、社内で革新的な新規事業を起こしたヒーロー物語を持っています。多くの反対を乗り越え、数多くの会議をこなす中で支援を獲得し、幾多の困難を経て、イノベーションを起こすヒーローの話です。しかし、そのヒーロー物語は、成功物語なのでしょうか。社内にイノベーションのためのプロセスがないという失敗の表れではないでしょうか

 ブランク氏は講演でこう切り出した。

 ブランク氏は過去数年間、イノベーションプロセスを大企業の業務プロセスに取り込んだらどうなるかを考えて、さまざまな大企業のイノベーション事例を観察してきた。

 それでわかったのは、イノベーションが、個人が地下室のような人目につかない場所に集まって仲間意識を持ち、時には会社の愚痴を言いながら、何かを考え出し、それを会社として上市するために関係各所と戦いながら行なっているということだった。そしてそのイノベーションを生み出した人々による成功は1回限りのことが多く、彼らは成功を収めた後でも非常にフラストレーションを抱えている、ということである。

 こういった状態が起こるのは、企業が2種類の仕事を混同しているからだとブランク氏は話す。2種類の仕事、つまりエグゼキューション(Execution、既存の事業を遂行すること)と、イノベーションである。書類仕事や手続き、財務、人事、法務といったさまざまな部門やプロセスを企業は持っている。大企業であればあるほど、こういった部門は整い、有能になる。これらはすべてエグゼキューションである。エグゼキューションは、既存事業で成功を収めるためには非常に重要な手段である。

 一方で、イノベーションはまったく違った発想が必要になる。ブランク氏はこれまで、エグゼキューションが強い大企業内で行われる業務プロセスに、イノベーションがうまく組み込まれた事例を見たことがないといい、下記のように強調する。

未来の給料は、イノベーターがやろうとすることから支払われるのです。大企業もイノベーションを生み出すプロセスを持つ必要があります

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