企業や組織が多元セクターを活用する「コミュニティシップ」とは
そして、ミンツバーグ氏はバランスをとるために不可欠な要素として、リーダーシップを越えたコミュニティシップの重要性を強調する。リーダーシップは必ずしもコミュニティシップを促進するものではなく、あくまで対象は個人にすぎない。コミュニティシップとは、チームのメンバーとして参加しながら、コミュニティを作り上げていく力のことだ。それがある組織は健全な活力が生まれ、バランスがとれた強い組織になれる。
かつて1989年頃、共産圏の崩壊により「資本主義が勝った」といわれた時代があった。しかし、ミンツバーグ氏は「勝ったのはバランスのとれた社会」だったと語る。つまり、東欧などの国々はバランスを失っていたというわけだ。しかし今、資本主義の世界でもバランスが失われつつある印象があるという。現在、政府と民間企業という二者でバランスをとろうとしているが、その両者で振り子のように触れている状態だ。