今回の資金調達により、VISITSの特許技術であるコンセンサス・インテリジェンス技術(以下、CI技術)のさらなる研究開発、およびCI技術の社会実装を加速していくという。
さらに、官公庁及び大手約60社が参加するイノベーションテック・コンソーシアム(以下、「コンソーシアム」)を通じて、CI技術を活用したイノベーション創発の共同研究を行うと同時に、社会に対するイノベーションテックの普及、啓蒙活動を行なっていくと語る。
取り組みの背景には、政府が提唱するSociety 5.0で描く未来では、あらゆる領域の知識や情報が共有され、新しい価値を産み出すためのイノベーションがより欠かせない存在となってきていることをあげる。一方で、イノベーション創発のプロセスが科学的アプローチにより解析され、その知見が世の中に共有される事はほとんどなく、「イノベーションを科学することは不可能である」という認識に警鐘を鳴らす。
VISITSは、「イノベーションは科学でき、誰でも起こせるようになる」というビジョンのもと、イノベーション創発の研究開発を行い、「イノベーションテック」という新たな技術分野を確立してきたという。具体的には、CI技術を活用して事業アイデアの定量化を行う「ideagram」やイノベーション組織分析エンジン「visiongram」をはじめ、その後の事業性評価に至るまで、イノベーションの創発プロセスをワンストップで科学的にサポートするとしている。
VISITSが設立し事務局を務めるコンソーシアムは、これまでの研究活動で蓄積した知見の共有の場、さらなる研究活動の場として、官公庁及び大手約60社が参加する「イノベーションテック・コンソーシアム」を2019年4月に設立された。日本がイノベーション大国として再び世界におけるプレゼンスを高められるよう、企業のイノベーション創発を科学的アプローチにより支援していくとしている。
VISITSは今回の資金調達により、プロダクトの開発体制を強化し、事業展開スピードを加速。また海外戦略として、シリコンバレーとシンガポールを拠点にマーケティング活動を行ってきとことに加え、今後は現地企業とのパートナーシップを強化すると共に、各拠点での人材採用も積極的に進めていくのだという。
コンセンサス・インテリジェンス技術とは
コンセンサス・インテリジェンス技術(CI技術)とは独自の合意形成アルゴリズムにより、AIでは解決不可能な「教師データのない『定性的な価値』を定量化できる技術。これまで定量化できなかった人の創造性やセンスといった「感覚的資産」を全て客観的に定量化し、ブロックチェーン技術と組み合わせて流通させることで、新たな「価値経済」を創造することが可能になる。