「顧客に土下座してでもやらせていただく」トレタのオンボーディング
小林 泰己氏(ベルフェイス株式会社、以下敬称略):私たちはWeb会議システム「bellFace」をサブスクリプション方式で提供しています。今日のテーマのオンボーディングですが、弊社で始めたのは2018年9月頃です。それまでは導入後の初期支援はやってはいたものの、体系立ててやっていたわけではなかったし、検証もできていませんでした。その状態で1年間運用してみて、オンボーディングの重要性に気づきました。
鈴木高太郎氏(株式会社トレタ、以下敬称略):オンボーディングは大事ですよね。今のトレタでの位置づけでは、オンボーディングはサービスではなく「顧客に土下座してでもやらせていただくもの」です。
小林:我々もまさにそうです。オンボーディングプログラムを卒業しているか否かで、1年後までのチャーンの割合がまったく違いますよね。
私たちは2ヵ月のオンボーディングプログラムを提供しています。キックオフを行い、定例ミーティングを設定し、お客様の目標を確認して、そのために何をやるべきかを話し合い、基本的な操作方法をレクチャーするというのが主な流れです。トレタさんはいつ頃からどのようにオンボーディングをしているのでしょうか?
鈴木:トレタは飲食店向けの予約/顧客台帳サービスで、ユーザーは飲食店の現場の方々です。飲食店では導入前は紙の台帳を使っていることがほとんどで、それを我々のiPadアプリに切り替えてもらう必要があります。そのための導入プロセス自体は2014年頃から始めていましたが、体系立ててオンボーディングを開始したといえるのは2017年頃です。
オンボーディングを開始したきっかけは、お客様がプロダクトをちゃんと利用しているかを示す“アクティブ率”を個人ごとに精査してみたことです。使い込んでいる人と使ってない人でアクティブ率に差が出ており、型を作って誰でも使えるように教える必要があると感じました。オンボーディングを始めてからは高水準のアクティブ率になっていますね。
2017年の時点では社員が飲食店に訪問してオンボーディングを行っていましたが、2018年からはリモートで実施するようにしています。加えて、2019年からは動画を使ったセルフオンボーディングも始めました。もちろん説明会も開催していますが、その前にお客様が動画で学習できるようにすることを重視したのです。これによってさらにオンボーディングのプロセスが圧縮でき、アクティブ率をさらに向上させることができました。