2015年、国連でSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)が採択され、SDGsに関する意識が高まっている中、日本の先端技術によるアニマルフリー素材と伝統工芸も活用した、Made in Japanの製品を展開することで、FUMIKODAも17の目標のうち、5(ジェンダー平和を実現しよう)、10(人や国の不平等をなくそう)、12(つくる責任 つかう責任)に取り組んでいる。その1つとして、2020年春夏コレクションからダイバーシティをコンセプトとした新ラインをスタート。そこで、現在、エシカルやSDGsがどの程度浸透しているのか調査することになったという。
調査結果サマリー
- 「エシカル」「スローファッション」「サステナブル」の認知度は20%前後と低め
- 多少のプライスアップでも環境に配慮した商品であれば購入する68.5%
- 50.6%がファッションアイテムを購入する際は、エシカルな商品を選ぶ傾向にある
- 「SDGs」の認知度は15.7%
- 世界を変える17の目標の中での日本の課題トップ3は、「3.すべての人に健康と福祉を」「8.働きがいも経済成長も」「1.貧困をなくそう」
調査結果
1:「エシカル」、「スローファッション」、「サステナブル」、「プラスチックフリー」、「リユース」の意味をご存じですか?
「リユース」(65.2%)に対し、「エシカル」(18.0%)や「スローファッション」(20.4%)、「サステナブル」(21.0%)の認知度が低い結果に。どの言葉もニュースなどで耳にする機会は増えているものの、意味まで理解している人は少ない。
2:普段ファッションアイテムを購入する際、「エシカル」な商品かどうかを意識して選んでいますか?
49.5%が「あまり意識していない」と回答したが、「エシカルな商品(ブランド)でなければ買わない」(1.8%)、「できるだけエシカルな商品(ブランド)を買う」(17.3%)、「どちらか迷ったらエシカルな商品(ブランド)を選ぶ」(31.5%)となり、50.6%がエシカルなものを選ぶ傾向にあることがわかった。
3:エシカルなバッグを購入したことがある、または今後購入する気持ちを持っていますか?
「購入したことはないが、今後買う気持ちはある」(48.3%)と最も多く、以下「考えたことがない」(34.0%)、「購入したことがある」(17.7%)となった。
4:エシカルであれば、そうでないものより多少高くても購入しますか?
「10%程度であれば購入する」(64.4%)が最も多く、以下「通常より少しでも高ければ購入しない」(31.5%)、「2倍でも購入する」(4.1%)となった。これにより、多少のプライスアップでも環境に配慮した商品であれば、購入する意思のある方が68.5%もいることがわかった。
5:「エシカル」で連想するブランドは何ですか?
最も多かった回答はアウトドアウエアメーカーの「patagonia」(54票)で、フェアトレードのウィメンズファッションブランド「People Tree」(27票)、ベジタリアンカンパニーがポリシーの英国ファッションブランド「STELLA McCARTNEY」(22票)と続き、エシカルを謳っているブランドが目立った。人工皮革素材を使用し、エシカルにこだわったバッグを展開する「FUMIKODA」(20票)もSTELLA McCARTNEYとあまり変わらない票数を得ることができた。
6:「エシカル」について意識し始めたのはいつ頃からですか?
上記の「ファッションアイテムを購入する際、「エシカル」な商品かどうか意識しているか?」という質問同様に「意識したことがない」と回答した人が45.2%と最も多く、「1~2年前」(22.0%)、「ここ半年」(17.6%)、「3~5年」(8.5%)、「5年以上前」(6.8%)と続いた。
2013年、バングラデシュのラナプラザビルが倒壊事故により、ビル内の衣料縫製工場で働いていた1,000人以上の女性や子供たちがなくなった。この頃から「エシカル」という言葉を耳にする機会が増えてきたので、この事件を契機に意識し始めた方が増えていると推測できる。
7:具体的にどのような「エシカル」な行動をしていますか?
回答を見ると、「エコバッグを持参する」(70.6%)や「詰め替え用を購入する」(64.1%)などエコな行動への回答が多く、「アニマルフリーの商品を買う」(22.3%)、「プラスチック製品はなるべく購入しない」(17.2%)、「職人の手作りの商品を買う」(12.6%)、「伝統工芸品を積極的に買っている」(8.4%)などエシカルな行動をしている人は多くはなかった。 一方、「何もしていない」と回答した方は10.6%しかいないことから、89.4%の方がエコまたはエシカルな行動をしていることもわかった。
8:「SDGs」という言葉をご存じですか?
「知っている(17の目標があるなど)」はわずか15.7%でした。「聞いたことがある程度」(26.4%)、「知らない」(58.2%)という結果となった。「SDGs」という言葉は、メディア等で見聞きするようになったが、内容まで理解している方はかなり少ないという結果に。
9:「SDGs」の世界を変える17の目標の中で、日本の課題だと感じるものは何ですか?
「3.すべての人に健康と福祉を」(45.1%)と、働き方改革に関する「8.働きがいも経済成長も」(43.5%)、「1.貧困をなくそう」(38.6%)、「11.住み続けられる街づくりを」(38.5%)、「13.気候変動に具体的な対策を」(37.6%)など、日頃のニュースでよく見かける課題が目立つ。一方、「17.パートナーシップで目標を達成しよう」(14.5%)、「2.飢餓をゼロに」(16.7%)、「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」(17.3%)は10%台と低く、「課題だと思うことは何もない」も4.8%いた。