これまで行っていたリアルテックベンチャーへの投資を行うファンド事業に加え、リアルテックホールディングス(以降、リアルテックHD)が旗振り役となりプロジェクトを推進する。その第一弾として、リアルテックHDが宇宙航空研究開発機構(JAXA)らと主導する「SPACE FOODSPHERE」プログラムを始動した。
リアルテックHDはこれまで、リアルテックファンド1号投資事業有限責任組合(2015年)、リアルテックファンド2号投資事業有限責任組合(2017年)を組成して以来、約5年間で日本全国43社のリアルテックベンチャーへの投資育成を行ってきた。そして、2020年よりリアルテックホールディングスへと組織変更を行い、グローバルで戦える地方発のリアルテックベンチャーにフォーカスした投資育成を行う「グローカルディープテックファンド」(正式名称:「リアルテックファンド3号投資事業有限責任組合」)、および、東南アジアのリアルテックベンチャーに対して投資育成を行う「リアルテックグローバルファンド」(正式名称:「リアルテックグローバルファンド1号投資事業組合」)を組成している。
しかし、リアルテックHDが目指す未来創造のためには、ファンドの枠組みを越えたより根源的な課題解決への包括的な取り組みを行うことが不可欠だとし、個々のベンチャーでは挑戦できない、中長期的・複合的なテーマに自らが主体となり、事業を開発する未来創造事業「REAL TECH FUTURE」を開始したのだという。
未来創造のキーワード=「ディープイシュー解決」と「フロンティア開拓」
地球環境を守りつつ、命の危険を避け、水や栄養を確保し、病気にならず、快適に生活し、子孫を残す。リアルテックHDはこれらを満たす上での人類の重大課題を「ディープイシュー」と呼んでいる。また、未知を知りたい、見たい、体験したいという好奇心は人類の強力な推進力であり、好奇心と意志で未知の領域を切り開いていくことを「フロンティア開拓」と呼ぶ。
未来創造事業「REAL TECH FUTURE」では、人類や地球にとっての根源的なテーマを軸に、ディープイシュー解決とフロンティア開拓を並行して推進。より良い未来を創造するための包括的な枠組みの中でリアルテックの果たす役割を捉え直し、リアルテックの社会実装と課題解決の先に実現したい未来を、分野や国境を越えて議論・検証し、実現していくための活動を推進するという。
地球と宇宙の食の課題解決を目指す共創プログラム「SPACE FOODSPHERE」
「REAL TECH FUTURE」の第一弾として、地球と宇宙の食の課題解決を目指す共創プログラム「SPACE FOODSPHERE(スペース・フードスフィア)」が始動。これは、リアルテックHDがJAXAやシグマクシスら多数の企業や研究機関等と共に2019年3月にスタートした宇宙食料マーケット創出プログラム「Space Food X」が、更なる活動の拡大に向けて進化したもの。本プログラムにおいて産学官の有機的な連携を促進するSPACE FOODSPHEREが設立された。