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失敗しない新規事業開発の進め方

新規事業開発に挑み続けるための“撤退基準”の定め方──成功に向けた「健全な多産多死」を実現するには

第5回

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定量指標で「客観性のある基準」を明示し、定性指標の定義や解釈について「対話」する

 まず、「観点」は、新規事業に取り組む目的や意義として、事業的な成果のみを重視するのか、事業的な成果以外についても評価・重視するかによって分かれます。事業的な成果のみを重視する場合においても、事業単体としての成果のみで判断するのか、それとも既存事業とのシナジー創出も重視して判断するのかによって異なってきます。この目的や意義をあらかじめ全社的に定義し、経営陣も含めて合意できている状態で新規事業開発に取り組むことが理想ではありますが、定義できていない状態からスタートしている事業であっても、これを機に改めて検討・定義していくことが重要です。また、あらかじめ定義していたとしても、日々刻々と変化する経営の環境や状況に合わせて柔軟に変化・対応する必要もあります。

 事業単体としての成果のみを重視する場合、まずは目指している事業規模を想定していた時間軸で達成できそうか、事業のKGIとなり得る売上や利益などの定量指標からその進捗を見ます。これが順調であれば問題ないですが、進捗が芳しくないケースでは、事業ビジョンの実現度合いや、主要KPIの改善/向上によってKGI達成への道筋が描けそうか、もしくは規模感や時間軸を達成が現実的な範囲に修正/調整しても会社として許容できそうかと言った定性面で検討します。継続的に収益が上がる構造が作れるかは、前回ご紹介した「LTV>CPA」という定量指標の実現度で判断し、進捗が悪い場合には同様に定性面の指標も考慮します。

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この記事の著者

北嶋 貴朗(キタジマ タカアキ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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