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デザインリサーチ再考

デザインにつながる生活者リサーチの秘訣──いきなり全体を高解像度でリサーチせず、右往左往すること

第2回

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 生活者リサーチをしてもいいアイデアが出ない、具体的な製品やサービスのデザインにまでつながらないなどの「リサーチが発想・デザインにつながらない問題」、生活者リサーチが発想やデザインの素材として使えるものになっていないという現状を解決するために、前回はデータ収集におけるポイントについて紹介した。今回は、データ収集後の「分析」について見ていく。

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デザインプロジェクトにおける分析の特徴を知る

 分析の特徴を見るために、典型的な二種類のプロジェクト(以下、PJ)の特徴を比較していくこととしたい。1つ目は、分析レポートが成果物であるマーケティングリサーチPJ、もう1つは、具体的なデザインプロダクトが成果物のデザインPJである。

 まずは、デザインPJにおける分析の特徴を見ていこう。

デザインPJにおける分析の長所

1:流動的/非線形的で効率的

 探索的にデータを収集しながら、「都度」分析を重ねていく。データをすべて集めきってから分析するのではなく、新たなデータが加わった時点でいったんの分析(仮説生成)をして「問い」を立て直す。必要となる情報を新たに収集して分析を進めるため、リサーチにおける「問い」は流動的。「問い」/調査設計/データ収集/分析の各ステップを状況に応じて自由に行き来しながら「非線形」に進む。そのため、情報や判断を見誤らなければ、「優先的に解決すべき問題と原因の特定」、「具体的解決方法の検討」にたどり着くまでの過程・労力が最小限で済む。

2:具体的

 分析において重要なことは、インスピレーションにつながるかどうか。「具体的解決方法の検討」が常に最終ゴールにあるため、「対象物やターゲットを取り巻く状況・複雑に絡み合う関係性の全体像」、もともとの情報に含まれるありありとした状況・行動、関係性の文脈は分析が進んでも抽象化されず情報として残る。

3:ビジュアル的

 図解やイメージ写真・イラストなど視覚情報も合わせて示すことが比較的多く、そのことにより、文章・言葉だけの場合よりも状況や関係性の説明が理解されやすい。

デザインPJにおける分析の短所

1:流動的で暗黙知的

 都度分析を重ねて、「問い」をアップデートしていくため、「問い」や紐づく調査方法も流動的。また、対象物やターゲットを取り巻く状況、それが起きた背景・文脈などがインスピレーションの起点、分析のポイントとなるため、調査プロセスを共にしていない第三者には具体プロセスを説明しにくく暗黙知になりがちである。

2:属人的

 豊富な事実データを手順通りに積み上げて分析すればいいというわけではなく、分析のポイント、つまりインスピレーションの起点となる情報を見つけられるかどうかが勝負。個人の力量やセンスに左右されるところが大きい。

3:限定的

 イメージ写真やイラストなど視覚情報の活用により、データや分析結果が表すものに対する認識の幅がある程度狭められる。

 次に、調査・分析レポートを成果物とするマーケティングリサーチPJの分析における長所・短所も同様に見てみよう。

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森 あゆみ(モリ アユミ)

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