執筆者情報
森 あゆみ
(モリ アユミ)
株式会社オージス総研 行動観察リフレーム本部
大阪ガス 行動観察研究所 認定 Foresight Creator
京都工芸繊維大学造形工学科卒業後、大手メーカー系デザイン会社に入社。主に企業プロモーション関連プロジェクトのデザイナーおよびディレクターを経験後、大阪ガス行動観察研究所株式会社に入社。デザイナーとリサーチャーの両職種を経験し、双方を有機的に融合させるプロジェクトの企画・運営に取り組む。生活者リサーチ実施からアイデア・プロトタイピング、多様なデザイナーとの協働ワークショップのファシリテーションまで一貫して担当する。
執筆記事一覧
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デザインリサーチ再考
デザインにつながる生活者リサーチの秘訣──いきなり全体を高解像度でリサーチせず、右往左往すること(第2回)
生活者リサーチをしてもいいアイデアが出ない、具体的な製品やサービスのデザインにまでつながらないなどの「リサーチが発想・デザインにつながらない問題」、生活者リサーチが発想やデザインの素材として使えるものになっていないという現状を解決するために、前回はデータ収集におけるポイントについて紹介した。今回は、データ収集後の「分析」について見ていく。
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デザインリサーチ再考
生活者リサーチ“不要論”の背後にあること──アイデア発想やデザインに繋がらない4つの課題とは?(第1回)
明確な答えのないこの時代、新たな価値を創出するために、何かしらの生活者リサーチを起点にしたプロジェクト(以下、PJ)に実際に取り組んだことのある人もいまや少なくない。しかし、こうしたPJを実践した際によく聞こえてくるのが、「生活者リサーチをしてもいいアイデアが出ない。具体的な製品やサービスのデザインにまでつながらない」といった声だ。 生活者リサーチがいいアイデアにつながらないのが、単にPJメンバーの発想力だけの問題であれば、さまざまな発想法の導入や、発想を活性化させるメンバーの投入が効果的だろう。しかし、そこまで単純な話ではない。本コラムでは、「生活者リサーチがアイデア発想・その後のデザインにつながらない」という問題を紐解いていく。筆者は、デザイナーを経験後、リサーチの可能性に心惹かれてリサーチ業界に飛び込んだ一人だ。デザイナーとリサーチャー、それぞれの現場での実務経験を踏まえ、この「リサーチが発想・デザインにつながらない問題」を考察していきたい。